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「やっぱ食べたんだ……期待を決して裏切らない男だな、お前は。いや、いいけどさ、そんなの勝手だし、お前はそういう奴だし」

「Aちゃんの分も食べておいたよ」

「あっそ……まあ、お疲れさん」

「どういたしまして。他の男の匂いがするね」


労いの言葉もそれに応える言葉もそこそこに、最初の台詞に固執する相川だった。


「誰か来ていたのかな」

「えっと………」

「この香りは__天宮くんかな」

「え? お前、なんでわかるの?」


素で驚いた。

てっきり、あてずっぽうで言ったのだと思ったのに。


「香りって……化粧とかのこと? でも、天宮の奴、化粧なんかしないでしょ……」


何せ、制服姿だったのだ。リップクリームでさえ、自主規制しそうなものである。少なくともあの姿でいるときの天宮は、軍服を着た軍人と同じ、そんな校則から大きく逸脱するような行為は、間違ってもしないはずだった。


「僕が言っているのはシャンプーの香りのことだよ。この銘柄を使っているのは、クラスでは天宮くんだけのはず」

「え、マジ……? そういうのってわかるもんなの?」

「ある程度はね」


何をわかりきったことをという風な相川。


「Aちゃんが手の形で男子を区別できるのと、同じようなものと考えてくれていいよ」

「そんな特殊な能力を披露した憶えはないよ!」

「え? あれ? できないの?」

「意外そうなリアクションをするな!」

「お前のその手で僕の首を絞めて私のことを絞め殺して欲しいぜ、うぇっへっへっへっって、この間、僕に言ってくれたじゃない」

「ただのヤバい奴じゃねえか!」


あと、私はよっぽどのことがないと、うぇっへっへっへっなんて笑い方はしないだろう。


「で、天宮くん。来てたんだね」

「…………」


なんか怖いんですけど。

逃げ出したいくらい。


「まあ、来てたよ。もう帰ったけれど」

「Aちゃんが呼んだのかな? そうだね、そういえば天宮くん、この辺りに住んでいるんだものね。道案内の助っ人としては、頼れる人だ」

「いや、別に呼んでないよ。たまたま通りかかっただけ。お前と同じだよ」

「ふうん。僕と同じ__か」


僕と同じ。

相川はその言葉を反復する。

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灰猫(プロフ) - 紅茶さん» 紅茶さんコメントありがとうございます!お返事遅くなってしまい申し訳ありません(><) Twitterですが、アカウントを作り次第わたるマイマイ其の参の方にリンクを貼らせて貰いますのでもう少々お待ちくださいませ!! (2020年4月28日 0時) (レス) id: cd0e1b19a2 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - Twitter教えていただきたいです!都合上いいねとフォローしかできませんがそれで良ければお願いします! (2020年4月4日 19時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
灰猫(プロフ) - しのみやさん» しのみやさんコメントありがとうございます!これからも是非楽しく読んでやって下さい(*^ ^*) (2020年3月31日 23時) (レス) id: 06fe930ba8 (このIDを非表示/違反報告)
しのみや - 化物語も歌い手さんも好きなのでとても楽しく見させてもらってます! (2020年3月31日 18時) (レス) id: 5d97f4e4ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灰猫 | 作成日時:2020年3月29日 14時

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