風柱、行方不明につき。【鬼滅の刃】

捜索廿壱 ページ21

「グ〜〜〜ちゃ〜〜ん、どこいってたの！？」




目の前のグーちゃんに抱きつこうとしたら蹴られました。

あ、そんな元気あるんですね良かった！！！



「グアッ」


だから心配すんなって？？？
心配するに決まってんだろ！おこだよ！！


…さっきから怒ってばっかだなあ高血圧？？


グーちゃんも見つかって、誰かが鬼も倒してくれたし、なんだか今日ラッキーじゃない？？





「グーちゃん、はあ、もうほんとに怖かったよ……」



あ、あの鬼に事情聴取すんの忘れてた。
……あの背中の文字、風柱様だと思ったんだけどなぁ。


風の呼吸の使い手が複数いるのと同じで、ひょっとしたら背中に“殺”って書いてある人も複数いるんじゃ？？



「ねえグーちゃんさっきの人さぁ、どこいったんだろうね？」

グーちゃんと並んで歩きながら聞いた。
先程の強風で落ちた葉を踏みしめる音だけが響いていた。



「グエッ」


知るかってもう、一番近くにいたのグーちゃんでしょ？？？？


新月が生み出した幻影というかそういうのなのかなぁ。

消えたのが不思議よ。





答えなどでない謎を必死に頭を捻りながらずっと森を徘徊していた。

太陽が見え始めるのか、星の輝きが弱くなり始めた頃。








この森の隠の仕事は無くなった、と鎹鴉から報告が来た。


なにしろ鬼は消えてしまったかららしい。







「………グーちゃんその鬼ってまさか…」




あの鬼なわけないよな……。
なぜか冷や汗が止まらん。




なんか今になって実感湧いてきた。
そうだあたし鬼に喰われそうだったんだ。





それを助けてくれたグーちゃんに、風の剣士。


本当に新月って不思議。








お父さんありがとう。

グーちゃんもありがとう。

風の剣士様もありがとう。









………でもまだここで終わりじゃない。

風柱様探さなきゃ。












日の出が照らす道をゆっくりと一人と一羽で歩いていった。

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