甘くて甘い、【歌い手】【短編集】

生徒会【snr】 ページ2

センラside


『…先輩、まだ帰れないんですか』

「まだだーめ。仕事溜め込んだんどこの誰やっけ？」

『…私、ですけど』


観たいテレビあるのに〜！と机につっ伏すのは一学年下の生徒会副会長のA。


基本なんでも上手くこなす彼女だがスケジュール管理が苦手で仕事や課題は貯めてしまいがちなんだとか。


それもあって今 " 明日 " 締切の議案書をまとめている所である。


『ほんとすみません…私の仕事なのに先輩まで…』

「そう思うなら次から気ぃつけやぁ？」

『わかってますって』


正直放課後の生徒会室で彼女と2人という現状は満更でもなく、


付き合っている訳では無いのに自然と心臓の音が早まるのがわかった。


･


「っし…Aおわ…って寝とるやん…」


男の前でこんな無防備に寝やがって…なんて気持ちは抑え、


「Aさーん起きてくださーい」

『ん、…せんぱ…』

「はいはい先輩ですよ〜ほら帰んで」

『は、ぃ…』


まだ寝とるやん…何しても可愛いやんかほんと


『先輩起こしてください〜』


…言うたん、そっちやからな？


口を出っ張らさせているAに迷わず触れるだけの軽いキスをする。


『…へ、』

「起こして、って言うたやんな？」

『〜〜っ先輩！！』

「はいはい、帰んで〜」


好き、なんて絶対言えへんけど。


fin.

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