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墓参りを済ませ、墓地から出る。
「ところで、どうやってここに?」
「あぁ、実は…」
璃空がふと、寺の方を見る。
そこにはここのお坊さんと、ある人が一眼レフカメラを握りしめ寺を様々な角度で写真に収めている。特徴的なのは黒地に白い文字で「愛」と書かれたTシャツと、膝を着いたり身を屈めたり、オタクさながらのフットワーク。
不審者みたいなその人は、陽の光に照らされキラキラと金髪が輝いている。
そして、こちらに気づくと大きく手を振った
「Guten Morgen!」
流暢なドイツ語の挨拶。よい朝をといった意味合いだ。つまり、この人はドイツ人で私達と深い関わりをもった人。私達姉弟と似た青い目が弧をえがき、犬のような雰囲気をした人当たりのいい笑顔をみせる。
「素晴らしい寺だね!ここで眠れる兄さんと義姉さんが羨ましいよ」
フラン・ベイツ32歳。
父の弟で私達の叔父。がっしりとした男らしい父とは違いボルゾイ犬種のようなスラっとした貴族っぽい顔立ちをしている。
ドイツにて世話になっている璃空の主治医だ。趣味はランニングと、クールジャパン。
ちなみに私は手紙で話を聞いたことはあるが初対面だ。
大規模侵攻時、両親に守られた璃空は外傷から感染症にかかりながらも奇跡的に生き延びていた。当時取り乱していた私は気絶していた弟が生きているとも知らずに、その報せを受けたのは風間さんのところに居候し始めたときくらい。
璃空が病院で目覚めたのはそれから3ヶ月後。家は崩壊し、ほぼ絶縁状態になっていた母の実家、私は居候。病院以外に居場所のない弟を受け入れてくれたのがドイツの父の実家だった。
完治した後も、中学卒業まではドイツにいた方が学業に支障がないと今日まで日本には戻らなかった。
連絡はするが、国外だとなかなか思うようには行かない。お互い健康であるなら問題ないと思っている。璃空の様子を見る限り、ちゃんと大切にしてくれたのだろう。
「それにしても、やっぱり姉さんは父さんの方の血が強いよね。こう見ると、フラン叔父さんと親子みたい」
流石に愛と書かれたTシャツ着てたら親なら止める。
「そうかな?」
「そうだよ」
実の両親よりも祖父母に似たりすることは多くある。叔父に似てたとしてもおかしくない。
確かに父の血は濃いが顔立ちは母よりだとよく言われてきた。
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花香(プロフ) - 読ませてもらいました!私はいずみん好きなので結構惜しい位置に……笑今更なのですが、part2が見つけられません(>_<;) (2017年4月12日 18時) (レス) id: 677b5aa566 (このIDを非表示/違反報告)
ワートリ大好き - 古/奈「復活おめでとうございます。」三/米「これからも更新頑張ってください。」三輪隊『応援してます。』三「終わったな、任務に行くぞ」米/奈/古「「「あぁ/おう/はい」」」すみませんふざけました。コメが遅れてしまい申し訳ありませんでした。 (2017年4月2日 16時) (レス) id: ccac1e297a (このIDを非表示/違反報告)
風間あかり(プロフ) - 豆腐ノ木さん» マジだ、更新頑張れ!! (2017年3月28日 18時) (レス) id: 8d5dde9e5c (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ノ木(プロフ) - 風間あかりさん» まじか、ありがとう (2017年3月28日 18時) (レス) id: b26d9af27f (このIDを非表示/違反報告)
風間あかり(プロフ) - ヒャクゴの「三輪隊のグループ」のところが「三輪のクレープ」になってるよ! (2017年3月28日 18時) (レス) id: 8d5dde9e5c (このIDを非表示/違反報告)
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