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「……」


チクタクと時計の針の音だけが響いている。
パチパチと瞬きをし、今の状況を冷静に確認する。

時刻は夜8時。私は制服を着たままソファで横に眠ってしまっていた。
それも、規則的な寝息だけが聞こえる透の左足を枕にして。

しっかり眠ったため、目は覚めている。
時間の割に何か長い長い懐かしい夢を見た気がした。

私は頭のすぐ上辺りに手があることに気づく。
それずいずいと手繰り寄せ、その手のひらに自分の頬を乗せる。じんわりと人肌の温度を感じるとホッとした気分になった。


(あったかい)

一分ほどその温かみを頬にためた後、むくりと起き上がりそのまま座る。何時から私の枕になっていたのか。足痺れてない?と考えようやく透の顔を見る。
そこで、ばっちりと眠っていたはずの両目と目が合った。


「…起こしちゃった?」

自分の行動を振り返りながら、割と冷静に髪を手櫛で直しながら平静を装う。

「そりゃこんな事されたらな」

さっきまで頬を乗せた手のひらを目の前でひらひらと悪戯な笑みで振られる。
ジュッと瞬間的に蒸発出来そうなくらい茹でられたようになった。
なんて弱い。

「ところで、これは期待してもいいってことか?」

身を乗り出し押し倒されそうな勢いに茹でられたままの私はその押しに圧倒された。

「一旦別れて、もう一度…」

約束を破棄、そう言おうとしたのだろう。私はキュッと口を結び、力ある限りに今度は私が透の肩を押し返して見下ろす。

突然の行動にぽかんと口を開けたまま、紫色の目が私を真っ直ぐに見上げる。

「ーーっ」

いや、私はなんてことをしているんだ

一瞬でこの体勢が酷く恥ずかしくなりヘロヘロと透の上に崩れ落ち顔を胸に落とす。

「A?」


また顔を見れない。そしてまた私だけが焦っている。

「約束なんてもういらない…」

ボソッと零すような小さな声を出す。それをしっかりと拾われた。

「え?」

「いらないって言ってるの!」

押し倒してまできたらもうヤケクソだ。でもそうでもならなきゃハッキリと伝えられる気がしない。
ギュッと胸元の服を掴む。

「だから一度でも別れるとか、やり直すとか、難しく考えなくてもいいとは分かってるけど嫌なものは嫌なもので…」

約束なんて契約書を作ったわけではない。単純な口約束なので私が破棄すればいいもの。

律儀に守って拗らせて複雑にしたのは私のせい。
私が言わなきゃ。私が解かないと透はその複雑になったものをハサミで切り落としてしまう。

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花香(プロフ) - 読ませてもらいました!私はいずみん好きなので結構惜しい位置に……笑今更なのですが、part2が見つけられません(>_<;) (2017年4月12日 18時) (レス) id: 677b5aa566 (このIDを非表示/違反報告)
ワートリ大好き - 古/奈「復活おめでとうございます。」三/米「これからも更新頑張ってください。」三輪隊『応援してます。』三「終わったな、任務に行くぞ」米/奈/古「「「あぁ/おう/はい」」」すみませんふざけました。コメが遅れてしまい申し訳ありませんでした。 (2017年4月2日 16時) (レス) id: ccac1e297a (このIDを非表示/違反報告)
風間あかり(プロフ) - 豆腐ノ木さん» マジだ、更新頑張れ!! (2017年3月28日 18時) (レス) id: 8d5dde9e5c (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ノ木(プロフ) - 風間あかりさん» まじか、ありがとう (2017年3月28日 18時) (レス) id: b26d9af27f (このIDを非表示/違反報告)
風間あかり(プロフ) - ヒャクゴの「三輪隊のグループ」のところが「三輪のクレープ」になってるよ! (2017年3月28日 18時) (レス) id: 8d5dde9e5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐ノ木 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年1月29日 19時

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