危険予知(中編) ページ3
翌日ー。
私は彼の家に訪ねてみた。
重い扉を開くようにゆっくりとドアを開け、
“『ど、どちら様でしたか、、、
あっ、、、
昨日の探偵さんでしたか、、、どうぞ、、、』”
と、少し安心した様子で家に招いてくれた。
それでもやはり、彼の表情からは疲れが見えた。
相変わらず、眠れていないようだった。
『話は聞きました、
…それで、思い当たることは何かありましたか?
…その、眠れていない原因の夢について、、、。』
私がそう尋ねると彼は、重苦しい表情をしながら
話し始めた。
“『…実は、僕、、、会ったことないんですよ。
…本当の兄妹達に。
…小さい頃から両親からずっと一人っ子だと言われてきて育ったもので…
ですから、…その、、、会ったことない人に僕が夢で会うはずがないんですよ。
…ですから、、、その、、、余計にこの夢がこ、怖くて、、、…もしかしたら、…僕は、、、僕は、、、!………いえ、何でもありません…。』
そう言って彼は急に血相を変えて話を止めてしまった。
彼の過去や彼の人生に何があったのか。
私は更に螺旋階段のような疑惑と疑問、
そして彼が犯した罪があったという混乱で
頭の中がぐるぐると支配されているような気持ちで
彼をじっと見つめている事しかできなかった。
『…その、本当に君は何かしたという自覚があったのか。…その夢を見続けていたことで、何かしら感じるものがあったのか。君には。…もしそうだとしたならば、…いや、確定するのはまだ早い。…どうしてそのような事を思ったのか、私に分かるようはっきり教えてもらえないか?』
私は彼、柏田弘鷹の事については
ある程度の把握として、桂が得た情報のみであり、
全て知ってるわけではないのだ。
何故なら、国家権力というもので自分の依頼人を縛るような情報を握るような独裁者にはなりたくないからだ。
そして、本人の口から本当の事を知りたいと思ったからである。彼を助けたい一心で私は彼にそう言った。
“『…その、僕が…殺したんだと思います。
…両親が今居ない理由は、僕が殺した事実を記憶喪失でなくしてしまって、…っでも、両親は
「あなたはいいのよ。私達の子供なんだから、生きなさい。記憶の事は忘れなさい。」
…そう言って両親は僕の代わりに警察に捕まったんです。僕が捕まるはずだったのに…どうして助けたんだ…!…僕の両親は馬鹿だからそれで、、、』
『違う!!!』
私は咄嗟に彼の頬を叩いていた
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作者名:まこっちゃん | 作成日時:2018年10月23日 1時