【あんさんぶるスターズ！】声は届かない【衣更 真緒】

○声19 ページ23

あれから数ヶ月。
大分修復した私と真緒の関係。

今となってはメールで話せるくらいの仲になった。

そして今は…。
「…Aさん。
何処行きますか？」

【うーん…爽くんの好きなところでいいよ？】

爽くんとお出かけをして居ます。
クリスマス一色の素敵な街。

キラキラ輝くイルミネーションを見るたびにテンションが上がる。

友達へのプレゼントを買って爽くんと近くのレストランへと入る。

「ここ、僕の行きつけなんです」

【へえ…】

オシャレな店だ。
慣れずにキョロキョロする私のことを見て爽くんはずっと笑っていた。


しばらく経って、いきなり爽くんは私のことをジッと見つめて来た。

首を傾げると爽くんは真剣な顔で、声はとても優しく話しかけて来た。

「Aさん、僕と付き合ってください」

…え。

停止する思考回路。
爽くんはずっと私の目から視線を外さない。

「…見て居て思ったんです。
なにか後ろめたいことでもあるんですか？ 寂しそうにするAさんを見ててずっと心配でした」

だから、と言葉を続ける爽くん。

「僕じゃ力になれませんか…？」

迷った。

今はフリーのはずなのに。
なんだか真緒はどう思うのかななんて。

真緒のことを考えちゃう。

でも、もう終わったことだから。
今は友達だもの。

自分の気持ちに正直になれば良いんだ。

【はい、よろしくお願いします】

ごめんね。
空っぽの心を埋めて欲しいの。

真緒の代わりみたいになっちゃうけど。
許して爽くん。


「…ありがとうございます」

嬉しそうに笑う爽くんにつられて私も笑った。
その日は爽くんと手を繋いで帰った。

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