愛されたいのは 2

64 北山side ページ17

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「きたやん！さっきはヒヤヒヤしたよー」

「あ？何が？」

「イケメンとの間に火花散ってたよ！！」


別にそんなつもりはねーし。

なんで上にいるのかって、あいつがちょっとムッとしてたから、なんか俺もムッとしちまって。

でも店を出た後にすっごい心配そうな顔するから。

まぁ、顔見るくらいいいかなと思って。









ランチも終わり昼休みになったので上にあがってAちゃんの様子を見に来た。

コンコンと寝室のドアをノックしても返事はない。

ゆっくりと開けると安定した呼吸音が聞こえる。

部屋に入り頬や首元に触れると、そんなに熱くない。

よかった、さっきあいつが言ったみたいに、熱はだいぶ下がってるっぽい。

もう冷えピタもあんまり役に立ってない。

ほんとに…心配ばっかりかけさせやがって。

ベッドの側に座って寝顔を見つめると、ふふって笑ってる。


「…いすけさん…お腹いっぱい…」


こいつ…

誰のベッドで誰の夢見てんだ。

俺じゃねーのかよ。

ほんとムカつく。









柔らかそうな唇に触れてみれば、その口元を手で払った。

もう1回触れてみたら、また同じように払う。

ふふ、おもしれぇ。

こいつの寝顔見る機会、この先あるのかないのか…

それはわかんねぇけど、とりあえず今はこの寝顔で我慢しとくか。



あーーー、ねみぃ…

ちょっとだけ目をつぶるつもりが、そのまま深く眠ってしまった。

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