愛されたいのは

20 ページ20

*




ま、まだ！？

まだって何！？

すると今度はニカさんが小声で言った。


「ガヤは本命しかここに連れてこないもんなー」


いや、だから聞こえるんですけど！！

うわーー！！もう無理ーー！！

と思い、目を閉じて自分の耳を塞いだ。


「あー、Aちゃんは聞かないでー」


って太輔さんは笑いながら私の手の上から、耳を塞いでくる。


「あ、注文聞いてなかった」


ってこのタイミングで言うかな、千賀さん！






ごめんねって言いながらわたしの耳を解放したけど、絶対ごめんとか思ってないでしょ。


「俺は生。Aちゃんは？」

「ピーチのカクテル作ってください…」


と、ほぼ脱力した声で注文した。

もう、今日はいろいろと疲れました。

今日の出来事を自分の中でまとめたいけど、もうそれはとても出来そうにない。







疲れたなりに私も少しずつ皆さんの会話に入っていけた。

それはやっぱり太輔さんがさり気なくサポートしてくれるから。

そしてお酒も進んできて、ちょっと上機嫌の太輔さん。

「Aちゃん、ニカってね、自分と同じ名前の焼酎飲んでるんだよ」

「あ、わかった。"二階堂"ですよね？」

「え、なんで一発で当てれるの、こわ」

ってニカさんご本人に言われてしまった。

いや、"こわ"って引かないでよw

だって千賀さんは無意識かもしれないけど、ニカって呼んだり二階堂って呼んだりしてたから。

すると太輔さんは急に私の目を隠して


「もーAちゃん、俺以外の男を観察するの禁止ー」


って、私の癖をバラさないでーー！


「えっ、Aさんって男の観察好きなんですか？」

「そんなんじゃないからっ！！」


ヤバい、千賀さんの中でなんか私すごい変な奴みたいになっちゃってる！


「もう、太輔さん、ホントに意地悪！！」


あはははってものすごく楽しそうに笑う太輔さんを見ると、すぐにまぁいいかって気持ちになってしまう。

これも太輔さんの魅力なのかな。

21→←19

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す