番外編 不幸な結末は私が。 ページ39
森鴎外 目線
娘が目を覚ました。
それがどれだけ嬉しかったか
久しぶりに目覚めがよく鼻歌を歌いながら彼女の病室に向かう
慌ただしい医師たち
昨日はAの事でバタバタしていて任務に行かせている部隊も少なかった筈だが?
と首を傾げながらも歩き続ける
近づくにつれて大きくなる医師たちの声
冷や汗が私の背中をつたう
「Aちゃん!!Aちゃん!目を開けてっ!!」
彼女の部屋の扉を開けることは無かった
否、開ける必要はなかった
洗面台に溜まった薄い赤色の水
赤黒い何かが付着したカッター
そして何よりも、真っ青な顔で医師に人口マッサージをされている娘
「A?」
「首領…」
周りにいる看護師が悲しそうな顔で私を見る
なんだね、その顔は
「先生、もうやめてくださいっ。もう、Aちゃんは…」
目の前にいる医者が拳を握るのが見えた
「どきたまえ」
私が見れば良い
「起きろ、起きるんだ、A」
冷たい体も
動かない脈も
青白い顔も
全部全部全部
「嘘、だ」
だって昨日せっかく目を覚まして
これからまた、思い出を作ろうと思って
「首領、Aちゃんはもう、亡くなっています」
涙ながらに述べる看護婦の言葉が私の中で漂う
「自 殺です。出血多量で、亡くなりました。」
「黙れ」
そんな事ありえない
だって、そうだろう?
折角掴めた幸せなのに
あぁ、きっと寝ているだけなのだ
「全く、Aはお寝坊さんだなぁ」
周りで息を呑む音が聞こえた
「そうだ、明日お出かけをしよう。今日はケーキを買ってきてあげよう。」
それから、それから。と彼女を抱きながら呟く
小さな歪みは戻らないまま
失ったものは、還ってこなかった。
ーーーーーー
不幸な結末は、はBADENDでした
次からの番外編は本編の方ですのでご期待ください笑
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ライ - やばすぎる親の前で見てて泣いてしまってあくびで誤魔化したくらいやばかったです!! (4月14日 3時) (レス) id: 3472106834 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーす。(プロフ) - やばい。すっごい感動しました…!!!もう読みながらずっーと泣いてて、涙で字が見えなくなりました!!! (2月24日 22時) (レス) @page47 id: 93d57c8cdc (このIDを非表示/違反報告)
deal...推し尊し - めっちゃ感動した、、、!!号泣しました!! (2月23日 10時) (レス) @page47 id: 6f967a7261 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - いつもはあまり感動して泣く、というのはなかったのですが、この作品を読み終えたとき、号泣しました。神作をありがとうございます! (12月13日 17時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 号泣しました。最高の作品です (9月13日 1時) (レス) @page47 id: ca09eb9558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅ノ | 作成日時:2016年8月14日 15時