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たった一人の ページ19

「あ、おかえりなさい紅葉さん! 」









がらがらと医務室の扉を開けて入ってきたのは紅葉さんだった。









「何を話してきたんですか、姐さん」









「馬鹿な首領にちと拳骨をくらわせてきてのぅ。」









そう言って妖艶な笑みを浮かべる彼女は美しい









「見てください、紅葉さん!」









そういって中也さんに浮かべてもらっている縫いぐるみを指す









それを見、嬉しそうに中也さんを見る









「其方も子供に甘いのぅ、中也?」









「ばっ、ちげぇよ!」









顔を真っ赤にする。可愛い。









3人で過ごしているのはとても楽しいのだけれど、なんだろう。









なにか、足りない気がする









「っ、中也。」









「判ってますよ」









意味深な会話を交わす2人









「すまんの、A。仕事があるもんでな。また後で来る」









ひらひらと手を振りながら帰っていった中也さんと紅葉さん









シン、としてしまった部屋はとても寂しいものだ。









ガラッ









「やぁ、気分はどうかね?」









全く気配がしなくて驚いた。流石首領









「お陰様で。どうかなさったんですか?」









「怪我人がわざわざ挨拶に来てくれたんだ。私からも行こうと思ってね」









そうですか、とそっけない返事をするも、なんだか嬉しい気がする









何でだろう。









初めて会ったはずなのに、こうやって会話することに対して幸せな気分になる









変なの。









そのあとは自己紹介?とか他愛も無い話をした









「君は、お父上とは随分と違うんだね」









「父をご存知なんですか?」









そう聞けば少しだけ寂しそうな目をする首領。









「あぁ、よく知っているよ。とても…とても最低な奴だ。娘を捨てて、君を傷つけた」









心の中にモヤっとした感情が出てきた









「父の事、悪く言わないでください。」









ムスッとした表情のまま続ける









「たとえ私を傷つけ、私を捨てていても。私のたった一人の父なんです。」









そう




とても大好きだった気がする









「私に、この大切な名をくれた素敵な人なんです。」









なんで、








「何故、泣いているのですか?首領。」

番外編 馬鹿な親子→←我が子



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ライ - やばすぎる親の前で見てて泣いてしまってあくびで誤魔化したくらいやばかったです!! (4月14日 3時) (レス) id: 3472106834 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーす。(プロフ) - やばい。すっごい感動しました…!!!もう読みながらずっーと泣いてて、涙で字が見えなくなりました!!! (2月24日 22時) (レス) @page47 id: 93d57c8cdc (このIDを非表示/違反報告)
deal...推し尊し - めっちゃ感動した、、、!!号泣しました!! (2月23日 10時) (レス) @page47 id: 6f967a7261 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - いつもはあまり感動して泣く、というのはなかったのですが、この作品を読み終えたとき、号泣しました。神作をありがとうございます! (12月13日 17時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
- 号泣しました。最高の作品です (9月13日 1時) (レス) @page47 id: ca09eb9558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅ノ | 作成日時:2016年8月14日 15時

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