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莉犬
「ふわ……」
莉犬くんが大きな欠伸をする。
「寝不足?」
莉犬
「うん。
昨日作業で徹夜して」
「寝てなかったの!?」
私はてっきり、早起きしてコンビニに向かっていたのかと思った。
莉犬
「徹夜明けでコンビニに行こうとしたら、家の前にAさんが倒れてたんだよ」
この頃から生活リズムが不規則だったんだ……
「寝よう」
莉犬
「え、でも……」
「私の事は気にしないで」
莉犬
「……じゃあ、ちょっとだけ寝ようかな」
莉犬くんはゆっくりその場で横になる。
「ベッドで寝たらいいのに……」
そう言った頃には、莉犬くんは規則正しい寝息を立てていた。
「はや……」
相当疲れていたんだろう。
5年後でも、ライブでしか顔出ししていない莉犬くん。
ライブには何度か行った事あるけど、こんなに近くで顔を見るのは初めてだ。
やっぱりとても綺麗な顔をしている。
こんな所で寝たら風邪をひきそうだ。
私は近くにあったひざ掛けを、莉犬くんに掛けてあげる。
莉犬
「ん……」
莉犬くんが寝返りをうった。
寝ぼけているのだろうか。
莉犬くんは私の服の袖をきゅっと掴んだ。
「これはご褒美……」
思わずニヤけてしまう口元を隠す。
しかし、これでは身動きが取れない。
仕方なく私も莉犬くんの横に寝転んだ。
「……莉犬くん、どうしてすとぷり解散しちゃうの……?」
ぽつりと呟いて瞼を閉じると、気付けば私も眠ってしまっていた。
「ん……」
目を覚ますと、莉犬くんの顔が視界に映る。
莉犬
「おはよう」
「うん……
おはよう……」
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作者名:ニートになりたい | 作成日時:2021年6月29日 14時