それぞれの在り方 ページ1
ポートマフィア地下室にいるのは、幹部のA、太宰、そして部下の芥川に数名の黒服。太宰の冷め切った雰囲気に気づいているのはAのみ。静まり返った空間に太宰の声が響く。
太「これで手懸かりは無くなった。一人でも生き残っていれば、敵の本拠地、敵の目的、次の標的、指揮官の名前と素性、そして指揮官の異能力。貴重な情報が聞き出せただろうに。全く善くやったよ」
芥「情報など、連中如き僕が纏めて八つ裂きにッ!!!?」
刹那、芥川が後方に吹っ飛ぶ。太宰の容赦ない顔面パンチにうわ、と顔を歪ませるA。その後もこれまた容赦ない痛い言葉を飛ばしていく。過剰ともとれる部下への仕打ちに周りの黒服も顔を蒼くしているが、そんな中Aはというと部下から目線を外し、既に息絶えている敵をジッと観察していた。
『(死んだのなら仕方ない、死体から手懸かりを探すしかないか…)』
Aが死体へと手を伸ばすのと同時に発砲音が部屋に響き渡る。会話から察するに、今まで出来なかった技が成功したらしい。『容赦ないなー』ポソリと呟いたAの言葉に太宰が反応する。
太「それじゃあ兄さん。貴方がもし芥川くんのような部下が失態を犯した場合どう対処する?」
『ハァ?そんなの決まってるだろ』
『「二回殴って五発撃つ」』
太「うふふ、私と同じ考えだ」
にやりと笑みを浮かべたのも一瞬。芥川にいいな、と冷ややかな声で釘をさす。その最中もゴソゴソと敵の体に触り手懸かりを探すA。それを見て部下達に調べるよう指示を出すが、何を調べればいいのか尋ねる部下の言葉に呆れたように答え、ポロリと織田の名前を出す。それにおそるおそる言葉を発する黒服の言葉に、呆れた笑みを浮かべる太宰。
太「もし織田作が心の底から怒ったなら、この部屋にいる兄さん以外銃を抜く間も無く殺されるね。芥川くん、君なんか百年経っても織田作には勝てないよ」
『なんだ、自分は助かるのか』
太「だって知ってるでしょ?異能力」
『勿論』
太「は〜〜本当チートだよねぇ兄さんの異能力は…」
芥「有り得ない。太宰さん、貴方は僕を…!」
太「さぁ仕事に掛かるよ!」
芥川の言葉を遮る太宰。まるで聞く気など毛頭ないような遮り方に、芥川の太宰を見る目が鋭く歪む。太宰の兄であり教育係のAは、その在り方に口を出す事など無く唯静かに傍観するのみだった。
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なに - 読みやすくて3作品夢中に読んじゃいました!すごく続きが読みたいです!一年前の作品ですがよければかいていただきたい!!! (1月1日 23時) (レス) @page34 id: 609d62ddb9 (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ぇ…終わっちゃったんですか・・・?続きかければ書いてください!絶対読みます‼ (2022年7月11日 22時) (レス) @page35 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 無理はなさらずがんばってください!! (2022年3月7日 22時) (レス) @page35 id: 663ca84b4d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 頑張って下さい!!更新待ってます (2022年1月22日 13時) (レス) @page35 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 更新頑張って下さい!応援してます! (2022年1月7日 19時) (レス) @page35 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっぽ | 作成日時:2018年1月8日 23時