真昼の月 ［大／宮］

4 月 智 ページ4

和美さんを送って任務完了。

さぁ。帰って寝直すかな〜。ん〜。いい天気だ！

和美さんが向かっていく道の端に、電信柱の影に隠れようとしている男子高校生がいた(笑)

ふふふ^^
近所の美人なお姉さんに、恋心か？

見つからないように様子を伺うなんて、ストーカーですよぉ〜。

見ていると、その子は、塀におでこを付け、うつ向くと、キラキラとしたものを、地面に落としていた。

えっ？

涙？

大粒の涙。ポタリ、ポタリと、止まる様子もなく流れ出るその涙はとても綺麗だ。

「ねぇ、君どうしたの？
・・・泣いてるの？どっか怪我でもした？」

ばっ！と上げられた顔にドキリッ！と、身体中の細胞が沸き立つ。

綺麗。

まるで、月の光のようだ。

「・・・大丈夫？」

「えっ！？あっ！！大丈夫です！！」

ペコリと頭を下げると、その子は、逃げるように、走り去ってしまった。

あっ。名前、知りたかったな。
綺麗な月だった。帰って寝ようと思っていたが、創作意欲が、めきめきとわいてくる。

「さっくん〜！！はやく帰ろう〜！！」

車から、我が家の太陽が顔を出した。(笑)

プップー！！
「なにやってんだよ〜。おいてくよ〜？」

運転してくれていた、我が家の大空は、クラクションを鳴らして、俺を呼んだ。

「なぁ、今の制服、俺と同じ高校だぜ？バッジ何色だった？」

「ん〜。赤？」

「うわっ！ストーカーと学年一緒かよ！誰だろ？」

我が家の風は、俺のそばまで駆け寄ってくると、さっきの子の事を聞いてきた。

なんか、ストーカーって感じじゃ無かったけどな？

「ねぇ。もし学校で会ったら、名前。聞いてきてよ。あっ！なんなら、お友だちになってさぁ〜」

「嫌だね！」

「え〜。潤のけち〜。いいじゃん！同じ高校でしょ？」

嫌なものは嫌だ！と、潤に引きずられ、車に乗せられた。

また、会いたいな。月の様な君に。

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