十年日記 (ページ18)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:16,846 hit

18 ページ18

二人ともサッカーのルールも全然分からないくせに

格好だけでもってお揃いのユニフォームを着て

席に着いてほっと一息着いたら

周りは僕らと違うチームのユニフォームを着た人ばかりで

視線が痛くて慌てて脱いで

でも周りに合わせて拍手したりしているうちに

スゴく楽しくなって

僕は

たつがいなくなってから初めて

声をあげて笑った

それからはいくつもの約束を繰り返して

僕の日記帳は二人で過ごした時間を書くようなった

三回忌をむかえた頃には

たつの事を思っても涙でなく笑顔が零れるようになって

僕の中で約束は生きるためのものでなく

その日を待ちこがれるためのモノに変わっていった

六年が過ぎてたつの七回忌が行われた

三回忌と違って親族でない僕は行かれへんかったけど

一人でお墓に参って

たつに僕の気持ちを伝えた

当たり前やけど

たつからの返事はあらへんくて

けど

たつがいつもしてくれたように

風が僕の頬を優しく撫でて行った

そしてその夜

彼女と二人きりの七回忌をした時に

僕は彼女に僕の部屋の合鍵を渡した