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泣き疲れてテーブルに伏せて眠ってしまった彼女
その小さな背中に
たつが使っていたパーカーをそっと掛ける
何度も僕が抱きしめて眠ってしまったパーカーは
きっともうたつの匂いはしないだろうけど
こんなにも健気で傷ついている彼女を
たつならきっと突き放したりはしなかっただろうから
せめて彼の物で包んであげたかった
僕は彼女の涙を拭ってあげる指を持ち合わせてはいないから
涙のあとが残る彼女の顔を見ながら
たつの大好きだったお酒をちびちびと飲み続けた
僕は彼女からたつを奪ってしまった現実から
目を逸らしてはいけなし
彼女を僕から解放してあげないといけない
そう思ったのに
暫くして目を覚ました彼女は
バツの悪そうな顔して笑った後
カバンから二枚のチケットを取り出した
それはたつが大好きだった選手が所属するサッカーチームのチケットで
彼女と僕は初めて二人で出かける約束をした
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年2月14日 5時
