木兎さんの妹は音駒高校バレー部マネ

さんじゅうきゅうわ。 ページ41

Aside



今日の練習も終わりに近づき、皆から受け取ったタオルや空のボトルを片付ける。



タオルは洗濯機に入れ、ボトルは水道で洗う。



(あとはこのボトルをしまいに行けばいいんだよね。)


中身が無くなり軽くなったボトルが入っている籠を抱え、水道から離れる。









その時、ポケットに入れっぱなしだったスマホが震えた。



(ん、なんだろ？



...電話？)


そう思い籠を一旦降ろす。





ポケットからスマホを取り出すと、

画面には知らない番号が映し出されていた。




(これ、誰なんだろ。


まぁ、とった方がいいよね。)



スマホの画面をタップし、耳に当てる。



『はい、もしもし』



(...？)



『あの...？』



《...ね。.....さな...い》



声が小さい上に雑音があるので聞き取れない。



『...はい...？



すいません、どちら様でしょうか。』



《...なんかが、...し.......けんなよ...》



何か言ってるのは分かるが聞こえない。



『あの、悪戯なら切りますよ...？』


その時だった。









《...なんでお前なんかが！！死ね！！！
絶対に殺してやる...！！》




衝撃的な言葉だった。




『ひっ...』


咄嗟にスマホを耳から離し、電話を切る。




突然怖くなり、体育館に走った。




(...なにあれ、！怖い、助けて)




体育館の扉が開いていて、中で部員がストレッチをしているのが見えた。




『っは.....はぁ...』



全速力で走り、その勢いのまま体育館に入る。




私は安心からか足の力が抜けて床に座り込む。



部員はただ呆然と私を見ている。




黒｢...A...っ...？｣





夜｢...っ！A！！


どうした！？何があったんだ？｣



夜久さんが慌てたように言う。




『あ.....夜久、さん.....』




夜｢大丈夫だ、落ち着いて言え。...な？｣





『あの...私っ...外で仕事してたら、急に知らない番号から電話がかかってきて....



とったら.........っ、』





夜｢おう、ゆっくりでいいぞ。｣




夜久さんは私の背中をさすってくれている。





『...っ、《なんでお前なんかが。死ね、絶対に殺してやる》って.....！』





体育館がザワついた。




黒｢は...？なんだよ、それ｣




クロさんが理解が出来ない、と言うように呟く。




『あの...っ、私、一体何を...！？


恨まれるような、事でも...したんですか...？』




恐る恐る聞いてみる。




黒｢...A。｣







その瞬間、体がなにかに包まれたかの様に暖かくなった。

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