あげない60 ページ17
「今回の曲も大ヒットだな」
「ありがとうございます」
高校一年生が終わるころ、歌手を応募するオーディションに受かった。
ただただ音楽が好きでそのころからよく作詞も作曲もしていた。
たまたまそういうオーディションを母が見つけてすすめてきたので試しに受けた、そんな感じ。
デビューは高校二年生の時。
自分の作った曲を自分の声で歌い、素性はまったく明かさないままのデビューだった。
世間にぱっと出だったのにも関わらず、うれしくも私は高い評価をもらった。
そのあと二作目、三作目とだんだん評価はあがっていった。
「次も期待してるからな」
「……ありがとう、ございます」
次第に曲を作るのがつらくなった。周りの期待が苦しかった。
人気が出るような曲を作らなきゃいけない意識に縛られ始めていた。
(私はただ、音楽が好きなだけなのに、楽しみたいだけなのに)
『素性は絶対明かすな』
『インタビューにはこんな風に答えておけ、テレビ出演は禁止だぞ。事務所でも他人に顔をばらまかれないようあまり人と顔を合わせるな』
『その曲はだめだ、出さない。お前のキャラじゃないからな』
人気が上がるにつれて、事務所からの要求も増えた。
純粋に音楽が楽しめない。
自分の思いを歌にすることが許されない。
そんな境遇も苦しかった。
『何が歌姫だ、ブスだから顔曝せないんじゃね?』
『人1の曲ってなんか全部おんなじ雰囲気あるよね?ロボットだったりしてｗ』
『最近人1うざい。素性まったくさらさないのとかキャラづくりなの?ムカつく』
ネットで批判されることがでてきた。
ファンレターを偽った嫌がらせの手紙が来たこともあった。
変な噂やありもしないようなことを吹聴しようとする人もいた。
辛かった。
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ゆうくんのストーカーのストーカー - す、すごいとこで止めるじゃねぇですか...面白いです！更新頑張ってください！無理の無い程度で良いので！ (2018年4月8日 6時) (
レス) id: c392d9b03c (このIDを非表示/違反報告)
凖様大好き - 面白かったです！続き待ってます。 頑張ってください！ (2017年8月4日 14時) (レス) id: 3dc5b5c194 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらうお。 | 作成日時：2017年3月21日 0時
