死後、第２ステージは横浜で。

死後のレポート２１ ページ21

私は

何故此処に…？


「役に立ちそうもないので帰っていいですか…」
『私も帰っていいですか…』


右には敦くん左には国木田さん、うん、死にそうだから帰っていい？


「うちは色んな処から恨み買うからねぇ…」


ねぇ太宰さんスルーしないで
好きな人からのスルーはきついよ分かる？

「無視ですか…」
『敦さん、諦めましょう』

「それにあれ、高性能爆薬だよ」


太宰さんは深刻な顔をしている
くっそぉイケメン、シリアス顔もかよ…
…あの爆弾私昨日見たぞ、居酒屋の奴だろ
ていうかここら辺まんまアニメだわぁ…

わ、あれ乱歩さんの机かなぁ
じゃああれが太宰さんで、彼処が敦くんの場所…
樋口さんが来る客間みたいなのもあるぅ…！！


グルグルと状況が状況であるにも関わらず探偵社という夢の聖地に感動していると、いつの間にか国木田君が谷崎さんの命令でヨツンヴァインになっていた
くそ、…イケメン…！



「不味いな…」


何がですか、真逆私が美しすぎてですか
気が合いますね結婚しませんか


「探偵社に私怨を持つだけあって、奴は社員の顔と名前を把握している」


太宰さんは私の心の中など知らないので、俳優レベルの演技で喋りつづける
あー…ふっ、なら社長が出張って事も知っておけよなぁ


「これでは社員の私が行っても彼を刺激するだけだ…」


まぁそうでしょうね
なぁんて思ってると、太宰さんは意味深な視線を敦くんに向ける


「さて、どうしたものか」


そんな視線に気付いた敦くんは、うぐっと悪寒が走ったのが目に見える様な反応


「あーつーしーくーん」
「嫌です」

即答だねぇ

「まだ何も言ってないよォ？」
「言われなくても分かりますって…！」

うふふ眼福眼福…
此の儘一生喋り続けてくれない？最高だ






───

───────




そしてその敦くんは結局上手いこと太宰さんの口車に乗せられ新聞配達人のダメ人間を演じ始めた



「それでもヤケにならずに生きてるんだァ！」



うん、そうだねぇおばさん涙出てきそう


「いいぞ敦君…演技を超えた素晴らしいダメ人間振りだ…」



口角を上げた太宰さんがボソリと呟く
…ちょっと？私空気なんですけど？



もう本当早く帰りたいという気持ちが色々強くなってきた頃、太宰さんが私に向かって声を掛けてきた


「ねぇAちゃん」

貴方はきっとそうだと信じてました！！
ナオミちゃん呼びですものね…！！


「何でもいい、何か気付いた事はある？」

えー…何、なんて言えばいい？

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