最年少幹部部下となりました

苦労の記録４７ ページ47

飛んで来る氷の量が一気に増える
おおい、これ切れるか？



『(いや、切れなくても…)』


使えばいい



飛んできた氷を踏み台にして上に飛びつつ前に進む
志賀が驚いた顔をするが、ざまぁみろとしか言えないですね！！




志賀の目の前に来た
目を見開いている
風の音と共に私は刀を上にあげる




彼は氷を出そうとするけど、




「…！」
『残念、もう遅い！！』









───ｻﾞｼｭ



赤い血飛沫が飛ぶ
言うまでもなく志賀のものだ


腹部に切り傷をつけてやった私は、反撃されないよう自慢げにその場から飛び退く



『…どーよ、痛い？』
「……ッ」


ふら、と腹を押さえながら蹌踉めく志賀
抑えてる部分からは血が出てきている


やっ……っと一発入れられた…！！
刀万歳！やるじゃん私!!流石だ私、いいぞ私！！









───「…は？」




ゾク、と身震いがする
冷たい沼の中に浸かったような気分だ


恐る恐る声の発生源、志賀を見てみると
その瞳には、深い闇が宿ってた



…激怒だ


あっれー…怒らせちゃいました？
そう怒んないでよ切り傷いれただけだろ？
私お前の何倍も傷ついてんぞ？！もう激おこっすか？カルシウム取りましょうね&！！


そんな思いは届かず、志賀は此方を睨みつける








「餓鬼が、粋がらないでくれます？」



ででーん、アウトー…。


途端、志賀は異能であるものを出す


「もう手加減とかいりませんよね」









───氷で出来た刀だった




『…有段者、…？』

予想以上のやばさに冷や汗をかく
志賀は焦る私を見て心底愉しそうにニコニコと笑う


「当たりー」









───ｶﾞｷｨﾝ!





瞬間もんの凄い速さで志賀が私に刃を振るう
なんとか、受けた、けど…！！



「へぇ…あんたもですか？」



ぐぐ、と音が聞こえるように氷の刀を私の刀に押しつけてくる
なんだっけ、どーすんだっけ、受け流すんだっけ？！




『…ばりばりの初心者だっつー…のッ！！』


キン、と甲高い音をたてて志賀の刃を受け流す。できる、できるぞA！！やるんだA！！君なら行ける根性大事！！





よし、受け流せた…と思った矢先







「無駄」




見えねえよ、ていう感じで刀を向けてきた
なんとか体をのけ反らせて避けたが、志賀は刀を持ち替えてすぐに次の攻撃へ


『(おいおいマジかよ…！！)』



もはや息する暇もない
早く構えを…









───ﾋｭ



グサリ、だなんて嫌な音。

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