苦労の記録２９ ページ29
太宰さんの特別教育コースは何としても避けたい、私の尊厳のためにも。となれば口止めしかない。
決心した私は屈辱感を抱きながらも中也さんに頼む。忘れないで欲しいが、まだ重力は乗せられているため、すごく喋り難い。
「あ、のッ！そ、れ……ッ太宰幹部、に、は！」
言わないでくれます、と言う前に、もう喋るのが限界な私を見て中也さんは察してくれた。察してるならむしろ異能を解いて欲しい。
「……別に言う心算はねぇけどよ。」
や、やった！私の人権は保たれた！と喜ぶのもつかの間だった。
身体がメキ、と音を立て更に沈む。
「ぇあ゛、ぐ！……！」
内蔵が警鐘をあげている、このままいくと潰れるぞと。痛い、いや、それ以上に気持ち悪い！一瞬でも気を緩めたら胃の中の物を全て出してしまいそうだった。
何で急に重くした、という意味で中也さんを睨めば、当たり前だ、みたいな顔をされ、にこりと微笑まれる。嫌な予感がした。
「その代わり、先刻の発言について、なんか言うことあるよな？」
「(…………チビって言った事か。)」
そんなに気にしているのかと逆に同情すらしてきた。太宰に散々からかわれたんだろうな、と。まあそれでも謝りたくはないのだが。
「…………。」
しかし言わねばこの重力からは抜け出せない事を悟る私は、仕方なく、そう、仕方なく、謝ろうと顔を上げる。
ああ！謝りたくない！！ただチビと言った罪でいたいけな少女を苦しめておいて、謝罪を要求するような男に！葛藤が心を占める中、しぶしぶ口を開いた。
「先程は、失礼、な発言、を繰り返してしまい……申し訳ッ……ありま、せん、でした。」
滅茶苦茶息をあげながら、なんとか謝罪する。これで満足かと中也さんを見てみると無表情だった。怖いから表情筋を動かして欲しい。
「……別に無理して猫被んなくていいけどよ、必要最低限に上司は敬え。な？」
俺より短気な奴も沢山いるぞ、と釘を刺されてしまえばもう何も言えなかった。
「……わかりました。」
分かったけど、彼はマフィアで、血も涙もないはずだ。私はその部下でしょう、生意気な口を聞いたでしょう。なのになんで。
「殺さないんですか？」
疑問をそのまま中也さんにぶつけた。彼は「はぁ？」みたいな顔をして呆れ顔をする。あのなァ、と彼は私に話し始める。
「俺が私情でいちいち部下を殺してくわけねぇだろ？……まぁ手前の直轄の上司を考えると、そう考えるのも無理はないけどよ。」
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ブラコン - かっかｯこいいっ兄に思わず抱きつきましたぁ〜。ぶたれたし、抱きつきたくなかったよ〜!けどけど、イラストがｯ! (2018年7月21日 22時) (
レス) id: e9f72c513a (このIDを非表示/違反報告)
杏 - めっちゃおもしろいですね！ 殺せば、勝ちなんだのところ吹きましたwww 渚君www (2018年7月4日 0時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
いんこ - ３７ページの下らへんに中也のとこで「だうしな」になってます (2018年1月29日 16時) (レス) id: 4376bf785f (このIDを非表示/違反報告)
信乃(プロフ) - イラストかきました。どぞ→ http://uranai.nosv.org/uploader/common/7/6/8/768eaacc1415e24c7349773e07126187.jpg (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3baa51b5a2 (このIDを非表示/違反報告)
自殺嗜好(プロフ) - めっさお気に入りです！夢主ちゃんのリアルな突っ込みが気に入ってます！これからも頑張ってください！ (2018年1月25日 11時) (レス) id: f37f9cdf35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メガネ第2号 | 作成日時：2017年12月31日 19時
