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「…………」
「…………」
先程から続くこの静寂。 鈴虫の声や、フクロウの鳴き声は間を空けることなく聞こえてくるが、その他の音は一切聞こえない。
しかし、私はこの静寂に居心地の悪さは感じない。 どちらかといえば、心地が良い。
ベットで状態を起こして、立てた右足に頬杖をついて月を眺めているソロモン。
私はいすに腰掛けてそんなソロモンを眺める。
……ホントに、こんな青年が
「お前が、俺を助けてくれたのか?」
視線を伏せたままそう言う彼は、どこか苦しそうで下手をすれば消えてしまいそうで怖い。
傷つけることのないように、できる限りの笑顔で答える。
人との関わりなどなかったから、上手く出来ているかは分からないけれど。
「えぇ。 森で倒れていたものだから。
どうしたの? なにかあった?」
聞いても、ソロモンは何も答えない。 ただ拳を握りしめ、辛そうに俯くだけだった。
「お前、レジスタンスのソロモンでしょう?
何があったかは深く聞かないから、その代わり迎えが来るまでここで大人しくしていなさい」
「……いいのか? 正教会の奴らからすれば、俺は犯罪者だ。
お前にだって、迷惑がかかるかもしれない」
申し訳無さそうに、それでも嬉しそうに目を輝かせたソロモン。 そんな彼がなぜか愛おしく思えて、私は彼の手を握った。
「いいわよ。 そんなの。
こんなに震えるくらい、怖い思いをしたんでしょう? 私のことなんか気にしないの」
「感謝、する。
…………それと、震えてない」
さっきまで小さくふるえていたはずの彼は、今はふてぶてしく私を軽くにらみつけている。
元気になったのなら、よかった。
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アリサ(プロフ) - 彩星さん» で、できるかぎり更新していきます! (2014年10月29日 19時) (レス) id: 956d2a8dca (このIDを非表示/違反報告)
彩星 - だって面白い作品だからつい興奮してしまって、頑張ってください!毎日確認します! (2014年10月24日 23時) (レス) id: 0e7062ca6e (このIDを非表示/違反報告)
アリサ(プロフ) - 彩星さん» そ、そう言っていただけると、とても励みになります! (2014年10月21日 19時) (レス) id: 956d2a8dca (このIDを非表示/違反報告)
彩星 - やべー、続き気になります! (2014年10月16日 0時) (レス) id: 0e7062ca6e (このIDを非表示/違反報告)
アリサ(プロフ) - 憐(紅の瞳)さん» 頑張りたいと思います……! (2014年10月5日 10時) (レス) id: 956d2a8dca (このIDを非表示/違反報告)
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