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113 胎内で ページ10

『_______淋しいよ』




  『_______行かないで』





  『俺を____』



  『俺を________________』









 
  『______一人にしないで』





誰の声だろう。

どこかで聞いたことのある声___

どこで聞いたっけ・・・?


目を覚ますと、何もない真っ白な空間に私は倒れていた。
どこからか風が吹いてきて、私の髪を揺らす。


キョロキョロと辺りを見回した。


すると、目に留まる物が前方30m程先に見えた。


黒いものが、ザワザワと蠢いている。




あ「黒いルフ・・・・?」



思うより先に、脳が体に命令していた。



全速力で走って、たどり着いたところには____









瞳に光を失ったカシムが、地面に膝をついて何かを呟いていた。



あ「・・・カシム・・・・・?」


カシム「A・・・?」


カシムは体に黒いルフをたくさん纏わせていた。
いつものカシムに見えない。
何かが完全に抜けてしまっている感じだ。







ビィッ




一匹のルフが私のもとに飛んできた。


私の指がルフに触れた瞬間、ルフは弾けて消えてしまった。


その瞬間、





  『俺を、一人にしないで________』




と、幼い少年の声が響いた。
その声は、さっき何度も聞こえた声と一緒。





・・・あぁ、そうだった。

この声は、小さかった頃のカシムの声だ。







カシム「・・・なぁ、A。」


あ「な、何・・・?」


カシム「Aは・・・俺とずっと___一緒にいてくれるよな・・・?」


腕を引き、私はカシムに体を預けた。



何故いきなり、そんな質問をするの・・・?


あ「う、うんっ・・・。」


カシム「本当か?」


あ「うん。」


カシム「嘘じゃないよな・・・?」


あ「うん・・・。でも、何で?」


途端にカシムは、ものすごく寂しそうな顔をした。


カシム「マリアムやアリババみたいに、Aが俺から離れてったら・・・俺っ・・・!!」


カシムが私にすがりついて来た。
やっぱり、寂しかったんだよね。
私が思った通りだ。

突然のことで私は戸惑って、どう対応をすべきなのか一瞬ド忘れした。


あ「ニコ)大丈夫。私は、カシムとずっと一緒だよ・・・?」


カシム「・・・信じていいんだよな・・・・?」


あ「もちろん!」


カシムの手が私の頬に触れる。




そして、私とカシムは唇を重ねた。

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アニオタ☆ - 最後すごく泣きました (2014年12月25日 12時) (レス) id: bc8da3bdd9 (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - 号泣して、目が腫れましたwwwティッシュの量がwwwヤバイ……w (2014年8月29日 9時) (レス) id: aa9162c60f (このIDを非表示/違反報告)
水桜(プロフ) - これ号泣しますね…もう涙止まらなくて困りますw僕、カシム大好きなので最後死ななくて嬉しかったです(笑) (2014年6月17日 15時) (レス) id: 0b5400b7b5 (このIDを非表示/違反報告)
あいころん - 私も、最後泣きました(;-;) (2014年5月25日 7時) (レス) id: 584cb45900 (このIDを非表示/違反報告)
紀覇(プロフ) - 泣きました・・・号泣ですんw (2014年2月22日 10時) (レス) id: e4aec8214e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:嘘つき黒鷺†* | 作成日時:2013年7月20日 15時

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