第293話 ページ14
少し遡って食堂
ジャーファルside
シン「……となると、敵はスラではない可能性が出てきたな」
ジャ「はい」
クトゥー・スラのところから戻った私たちは報告と現状把握のために、ここで一堂に会した。
皆、安心とは程遠い相好でシンの言葉を待つ。
シン「…それでは一度状況を確認しよう。
まず事の発端だが、
夕刻、森でマスルールとAさんが誰かに監視されており、それに気付いた二人は追跡した。が、相手は突然姿を消した。魔導士による転送だろう。
そして、その相手に心当たりがあった―――エギーユ君だと思った二人はそれぞれ動いた。
事実彼であったわけだが命じられてやったことだ。責めるのはなしだ。いいな?
話を戻すぞ。
2人がどう動いたかといえば,マスルールは俺に報告,Aさんはエギーユ君の家に尋ねに。
そこで、Aさんはタイミング悪くスラとエギーユ君と遭遇。
しかも、奴の国,『トルメス』がいかに酷い国であるか悟ってしまった。
『平等国家』であるというトルメスに憧れをもっていた彼女は平生の冷静さを欠いたが、幸いエギーユ君の手助けによりその場から退去できた。
だが、スパルトスと合流した彼女がエギーユ君の自宅に戻ってみれば、彼の父親とスラは姿を消していた。
1人残っていたエギーユ君を手当てのため王宮に連れ帰り、酷い事実が―――、スラが俺の国に密偵として何十人かの手下を潜ませていることが、発覚した。
…先程話したが『トルメス』とは、奴が作った『王族』と『賤民』の身分しかない国だ。酷い寡頭制、いや、クトゥー・スラとその父親の二頭制の国だと思ってもらっていい。
だから無論,この送りこまれている手下も賤民だ。『エギーユ君』や『エギーユ君の父役』といった役が割り振られているらしい。
…ここまでは良いか?」
シンが全員を見渡すとええ、はい、または無言の肯定が返ってくる。各々の表情は言うに堪えない。
シン「続けるぞ。
事実発覚後、スラ本人に会うためAさんとマスルールに奴の自宅兼店を訪問させた。
が、『スラの母役』である魔導士に勘付かれ襲撃に遭ってしまい、怪我を負ったAさんは騒ぎに駆け付けたヤムライハとともにまた王宮に帰った。
ここでAさんの許容のもとに正直に話すが…、ヤムライハに彼女のルフの記憶を秘密裏に辿ってもらっていた。
これにより、一連の騒動の間にクトゥー・スラとAさんとが過去に会っていたことが判明した」
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カルティ(プロフ) - 凛さん» 長らくお待たせしてます。凛さんのコメントに、本当に救われます…!凛さんに宛てる心づもりで書いていきたいです。どうぞ、今後もよろしくお願いします!! (2020年5月2日 18時) (レス) id: 8b553715eb (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 更新ありがとうございます。このお話が大好きで、ずっと楽しみにしていたので、とても嬉しいです!続き楽しみに待っています。 (2020年4月26日 0時) (レス) id: 119aca1ca3 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 幽さん» 幽さん、コメントありがとうございます。温かい言葉に支えていただき、今日更新に至りました。これからもお待ちいただけたら嬉しいです!これからもどうぞよしなに。 (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 夏澄さん» 夏澄さん、ありがとうございます!更新しました!!読みやすいと言っていただけて口が緩むのが抑えられません…!読みにくさを気にしてるので本当にうれしいです。今後もどうぞよしなに〜。 (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - Msさん» Msさん、ありがとうございます!落ちは最後まで明かしませんので、どうぞこれからもよしなに。マスルールとももだもだできるといいなと思ってます(笑) (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルティ | 作成日時:2015年7月30日 19時