【マギ】 シンドリアの市場の少女は魔導士でした6

第242話 ページ10

戻ってシンドリア-医務室
夕刻
シャルルカンside



あー

あー…!

あーあーあーあー!!!


これは間違っても発声練習なんかではない。

心の叫びだ。


ちらりと左斜め前を見ればAの疲れた寝顔。
ヤムライハによると先刻の魔法の実験で疲れたらしい。


…この俺が魔法なんかに協力したのにはそれなりの理由があった。


第一に、失敗したヤムライハをバカにできる。

第二に(…こっちが本心)、Aと仲直り…というか一方的にAに冷たく当たっているのを治せるかもしれないこと。


最近、剣術を教えてるときでも酷い態度をとっている。我ながら暴言もすぎると思う。
しかも自分勝手な怒りだ。Aは俺のでもないってのに見合いをしただけで…。

…わかってんのに,どうしてもこうだ。




・




うー…という小さな唸りにはっとする。


A「…し…しょう……!
じ、実験の参加ありがとうございました。お陰で新しい魔法ができました…」

シャル「…おう」

起き掛けAはどうしようか,ととりあえず笑顔を浮かべている。…俺が困らせている。

医務室なんかに来た意味ねぇな…。


シャル「ヤムライハに起きたって知らせt((A「すみませんでした!!」なっ…?」
…ベッドの上で正座する奴は,今日まで,今の今まで見たことなかった。

A「近頃怒ってますよね…。

師匠が色事に現を抜かして剣術を疎かにするな、と私を戒めようとしてくださったのはよく判りました!!」


…はい?



A「剣術の基礎すらできていないのに…。心に垣をしますのでどうか以前のように…」

シャル「馬鹿か!!」


今にも土下座しそうなAの両肩をぐっと掴んで顔をあげさせる。


シャル「俺が勝手に、苛ついて、冷たくしてただけだろうが!
謝んなくていいことで頭下げるな!!あと俺の台詞盗るんじゃねぇ!!!」


A「はいぃっ…!!……ん?」



俺の剣幕に反射的に返事してしまったようだが、彼女自身に非がないことが判明すると、納得できないという顔を向けてきた。


A「では、何か嫌なことでもあったんですか? あー、女の子にふられたとか…」

シャル「ばっか俺がそんなわけ…」



》ガチャッ《


こんなときに突然開いたドア



??「シャルルカン!!?」


あ…。


あ…?


今の状態:Aの肩を掴んで顔を近づけている。



…、誤解されたかな。



A「こんばんはジャーファルさん!魔力譲渡魔法のこと聞きましたか?」



笑顔が眩しいよAさんや…。

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