第272話 ページ41
王宮
兵士「申し上げます!市街地で突然爆発が発生しました!」
シャル「! すぐ行く!」
────その伝令に『私』が硬直する。
…遅かった……?
ピスティ達に話をするより先に助けに行くべきだった…?
ピス「ヤム!? しっかりして…って言っても難しいけど、Aたん助けに行くんでしょ!!」
鋭い声が飛んでふらつく脳みそを突き刺しても、痛みを感じないに等しい。
ヤム「Aちゃんが……どうしたら…っ」
唇を噛みながら走り、杖に乗る。
Aちゃんが生きてなかったら、どうしたらいいの?
謝りもできない。
あの子、こんなとき──自分の身だけに降りかかる災に出会ったとき──に限って、言いつけを守って魔法を使ってないなんてこと、ないわよね?
他人の小さな怪我には使っておいて自分は要らない,なんて言わないわよね?
別に魔法じゃなくたって良い、でも剣術や槍術で爆発を防げる?
何も持っていかなかったんでしょう。
衝動で敵を傷つけたくないからって。
…見ても聞いてもないけど予想がつく。
完成した度に見せてくれた、貴女が開発した魔法はどれも殺傷能力がないもの。
阿呆なの?
馬鹿なの?
でも
杖がなくても
魔法だけは使えるんでしょう?
・
・
・
おかしい。
マス「Aさん!!」
砂嵐は目の前を素早く通りさえするが、痛くない。
絶対魔法だ。ボルグだ。
マス「Aさん!」
声が出しにくく、いつも無口な自分を恨む。再度口を開こうとしたときだった、
A「マスルールさん!怪我は!?」
マス「!! してません!喋り続けてくださいっ」
ボルグの中でも砂埃がAさんの姿を隠している。くそっ。
声を出しても大丈夫だろうと判断した、敵が魔導士ならすでにマゴイで感知できるはずだから。
──Aさんもそうであるはずなのだが。
A「はい!ここ!!ここです!」
近い。
A「マスルールさん!」
影が見えた。
先程は届かなかった手を伸ばす。
彼女を引っ付かんで抱えると,上方に飛躍し、家屋の屋根の上に立った。運良く『ルアウ』の上だった。
A「…良かった」
マス「…!?」
良いなどとは言いたくなかった。
やっと目視できた彼女の体は酷く傷ついている。
シュルル…と音を小さくしながら、砂竜巻と言うべき砂嵐が止む。
さっと身を隠すと、スラの配下の女がつまらなそうに俺達の居場所だった地面を睨んだ。
女の姿が消えてから、降りた。
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魂魄 - 更新がんばってください、楽しみにしています!! (2015年7月30日 13時) (レス) id: 069bd89ccf (このIDを非表示/違反報告)
けーじろー(プロフ) - 夢主ちゃんはこれからどうなるんですか?それに、夢主ちゃんの過去も凄く気になります!これからも頑張って下さい♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: eb19431c53 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ルキアさん» →結構ヤバいです。 市場の辺りで騒ぎになりました。 実は、次の更新で規模はあまり大きくなかったことを追記する予定だったので,「る…ルキアさん,とっても鋭い…!」って画面の前ですごい顔してました(裏話)(笑) これからもコメントをいただけると嬉しいです! (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ルキアさん» ルキアさん、もったいないくらいの褒め言葉ありがとうございます!! かなり嬉しいです! ルキアさんの書いてくださった、マスルールの場面、私も結構気に入って更新したので、細かく見ていただけて幸せ者です、私。 ちょっと文字数が足りないので次へ→ (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 雪野サヤカさん» 雪野サヤカさん、返事が遅れてすみません、コメントありがとうございます! 面白かですか!?何て可愛い表現ですか! エネルギーになります! 頑張ります! (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルティ | 作成日時:2014年10月31日 22時