第271話 ページ39
戻ってAの自宅 2階
シンドバッドside
窓から見下ろせば、マスルールとAさんがスラの店へ近づいて、勿論聞き取れなかったが店の中の誰かになにか話しかけていた。
市場や市街地ならどこにでもありそうな光景。
俺達3人は固唾を飲んで、その光景に耳目を属した。
断定はできないがスラとおぼしき人影がAさんと相対して会話している。
マスルールは暇そうに後ろに控えている。視線だけは二人から離さずに。
さて,どう出てくるだろうか──。
無意識に目を細め、
マスルールがAさんに手を伸ばしたのが辛うじて見えて、
》ゴガガガガッ《
エギ「ぐっ!?」
シン「!?」
鉢を割ったような儚い音と馬車が軋むような痛い音と布が破けたような空しい音が大音量で襲ってきた。
誰の悲鳴も聞こえないが掻き消されただけだろう。
辺り一面が見えない。
それほどの攻撃。
何が起きたか、分からない。
相対するより敵が見えていないほうが恐ろしい。
ここで敵に姿を見せるわけにはいかず,背後の二人を制し、砂埃が沈んでいくのを待つしかできなかった。
・
・
・
Aside
マスルールさんと店の裏手から出て、向かいの果物屋に近づいていく。
…未だに信じたくない。
あの市場の人達が私に向けていたのは嘘の笑顔、傀儡の感情だったとは。
もしかしたら、隣の老夫婦さんも?
毎日来てくださるお客さん達も?
…苦しい。
独りでに動いて、離れていってしまいそうな自身の両手で腰辺りの布をぐしゃりと握り、どうにか心を保つ。
店に人がいる。
マス「…誰かいますね」
A「はい。…後ろにいてください,話します」
マスルールさんの余裕を感じさせるゆったりした頷きに,溜飲が下がった。
A「こんにちは」
??「いらっしゃ……ぁ…Aちゃん…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
魂魄 - 更新がんばってください、楽しみにしています！！ (2015年7月30日 13時) (
レス) id: 069bd89ccf (このIDを非表示/違反報告)
けーじろー(プロフ) - 夢主ちゃんはこれからどうなるんですか？それに、夢主ちゃんの過去も凄く気になります！これからも頑張って下さい♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: eb19431c53 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ルキアさん» →結構ヤバいです。 市場の辺りで騒ぎになりました。 実は、次の更新で規模はあまり大きくなかったことを追記する予定だったので,「る…ルキアさん,とっても鋭い…!」って画面の前ですごい顔してました(裏話)(笑) これからもコメントをいただけると嬉しいです! (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ルキアさん» ルキアさん、もったいないくらいの褒め言葉ありがとうございます!! かなり嬉しいです! ルキアさんの書いてくださった、マスルールの場面、私も結構気に入って更新したので、細かく見ていただけて幸せ者です、私。 ちょっと文字数が足りないので次へ→ (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 雪野サヤカさん» 雪野サヤカさん、返事が遅れてすみません、コメントありがとうございます! 面白かですか!?何て可愛い表現ですか! エネルギーになります! 頑張ります! (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カルティ | 作成日時：2014年10月31日 22時
