第268話 ページ36
細い路地にて
ジャーファルside
エギーユ君は先頭に、Aさんはマスルールの隣を歩く。
エギ「ここが僕の―――僕がスラから与えられていた家です。
中を見てきますので待っていてください。父…父役のルムークさんがいるはずなんです」
こちらが頷くと、タタっと駆けて、そしてすぐに戻ってきた。
エギ「…いない……です。」
青ざめた顔で。
…いないことがそんなに悪いのか、と思う人は『一般人』だ。
A/マス「「……!」」
シン「…エギーユ君、スラについている他の人たちは強いか? 俺達で対処できる程度であれば、彼らの案内は省いてくれ。」
当然のようにここには『一般人』はいない。
シンも焦って、いち早くクトゥー・スラのもとへ向かおうとしている。
……主人が自分の所有する枷のついた人間が失敗をしたとき何をするか、わかっているのだ。
痛めつける か 処分する。
エギーユ君が王宮に来て、話をして、かなり時間は経っている。
どちらにせよ良い結果は待っていないのだ。
A「クトゥーさんの家でしたら案内します。」
泣きそうな顔で話せる状態ではないエギーユ君に代わって、Aさんが先だった。
…演技であれども、数年間『父子』を続けていたのだから無理はない。
いや、困惑と闘いながらも付いてくるエギーユ君はかなり心が強いほうだと言ってもいいだろう。
静かな足音を連れて、5人は市街地の端へと歩く。
・
・
A「あれです。
…中に『ルムークさん』がいるかはわかりませんが」
流石に慎重になっているAさんは、スラがいる店に正面から入ることはせず、彼女の店の二階の窓から向かいの大きくもなく小さくもない果物屋を指差した。
シンはこの後、どうするか考えているのだろう、無言でその店を見つめている。
…こんなときに何を考えてるんだと言われるだろうが、この二階に上がらせてもらうのは久しぶりだなと思う。
確かAさんが私のことをまだ『ジャーファル様』と呼んでいた時期だった。
シン「…ジャーファル、」
ジャ「はっはい?」
すっと窓から離れてきて、呼ばれた。打開策でも思いついたか、或いは――――。
ちらっと見ると、心許ない表情を浮かべたAさん。
シン「このまま俺たちがスラの元に向かい探るのはかなり怪しい。
Aさんに行かせようと思う」
―――――――
この章で終わらせられない気がしてきました。
私のバカ。
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
魂魄 - 更新がんばってください、楽しみにしています!! (2015年7月30日 13時) (レス) id: 069bd89ccf (このIDを非表示/違反報告)
けーじろー(プロフ) - 夢主ちゃんはこれからどうなるんですか?それに、夢主ちゃんの過去も凄く気になります!これからも頑張って下さい♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: eb19431c53 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ルキアさん» →結構ヤバいです。 市場の辺りで騒ぎになりました。 実は、次の更新で規模はあまり大きくなかったことを追記する予定だったので,「る…ルキアさん,とっても鋭い…!」って画面の前ですごい顔してました(裏話)(笑) これからもコメントをいただけると嬉しいです! (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ルキアさん» ルキアさん、もったいないくらいの褒め言葉ありがとうございます!! かなり嬉しいです! ルキアさんの書いてくださった、マスルールの場面、私も結構気に入って更新したので、細かく見ていただけて幸せ者です、私。 ちょっと文字数が足りないので次へ→ (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 雪野サヤカさん» 雪野サヤカさん、返事が遅れてすみません、コメントありがとうございます! 面白かですか!?何て可愛い表現ですか! エネルギーになります! 頑張ります! (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カルティ | 作成日時:2014年10月31日 22時