第256話 ページ24
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森
マス「……ッ」
本日,休日。
森で木に寄り掛かって昼寝していたわけだが,
目を覚ますと隣に人がいる。
A「おはようございますマスルールさん」
マス「…おはようございます」
こんなに良い目覚めがあっていいのか…と顔に手を当てて一思いに息を吐いた。やはり現実らしかった。
A「モルジアナちゃんと来たんですけど,いつの間にかいなくなってまして…。ご存知ありませんか?」
マス「今起きたんで…,知りません」
A「そうですか。…どこいっちゃったんでしょう」
マス「さぁ…」
…粗方俺が起きるのを見計らって立ち去ったのだろうが。
A「………」
マス「………」
A「………」
マス「………」
風が草で音を奏でている。…何か言うべきだろうか。
考えている間にも夕日は傾いていく。
A「直に夕飯ですし,戻りますか?」
マス「……そうっすね」
二人して衣服についた土や草を払って立ち上がると,
A「うぉっ…」
マス「?」
A「はは,先程切った指先の瘡蓋が捲れちゃいました」
マス「…大丈夫すか?」
肩を並べて話しながら歩き出す。
A「はい,平気です。…手を切るなんて久々でしたよ,
‘持ち上げたヤム姉さんの水晶が割れていて!’血が思ったより出ました(薄笑」
……ヤムライハさん。
やはりか,と苦い気持ちがこみあげてくる。
一度目を閉じてから,Aさんが目を落としている方の手を,掴んだ。
A「っど,どうしました?」
Aさんは当然驚いて足を止める。俺はその手を軽く持ち上げ自らの上体を倒して傷口に目を近づけた。
マス「…結構痛そうっすね」
A「ええ、まぁ、体の末端って小さい傷でも痛みますから…ちょっと痛いんです」
恥ずかしそうに引っ込めようとするAさんの手を軽く制し、空いていた方の手で甲をぽんぽんと軽く叩いた。
マス「…お大事に」
A「あ、ありがとうございます//」
かなり恥ずかしい真似をして赤面している恐れもあったので、顔を背けて手を離し、沈黙とともに歩き始めた。
──その数秒後だった
》ガサササッ!!《
脇の草が不自然に蠢く。
A「……誰です?」
身構えて問いかける。
乾いた音はぴたりと鎮止された。
だが、間合いをつめようと一歩踏み出した瞬間、ざざざっと逃走を謀る音が聞こえてきた。
ファナリス相手に失策だ。Aさんと駆け出し逃走者を追う。
こいつ、会ったことがある──
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魂魄 - 更新がんばってください、楽しみにしています!! (2015年7月30日 13時) (レス) id: 069bd89ccf (このIDを非表示/違反報告)
けーじろー(プロフ) - 夢主ちゃんはこれからどうなるんですか?それに、夢主ちゃんの過去も凄く気になります!これからも頑張って下さい♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: eb19431c53 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ルキアさん» →結構ヤバいです。 市場の辺りで騒ぎになりました。 実は、次の更新で規模はあまり大きくなかったことを追記する予定だったので,「る…ルキアさん,とっても鋭い…!」って画面の前ですごい顔してました(裏話)(笑) これからもコメントをいただけると嬉しいです! (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ルキアさん» ルキアさん、もったいないくらいの褒め言葉ありがとうございます!! かなり嬉しいです! ルキアさんの書いてくださった、マスルールの場面、私も結構気に入って更新したので、細かく見ていただけて幸せ者です、私。 ちょっと文字数が足りないので次へ→ (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 雪野サヤカさん» 雪野サヤカさん、返事が遅れてすみません、コメントありがとうございます! 面白かですか!?何て可愛い表現ですか! エネルギーになります! 頑張ります! (2015年7月15日 19時) (レス) id: 837c998b3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルティ | 作成日時:2014年10月31日 22時