【マギ】 シンドリアの市場の少女は魔導士でした6

第253話 ページ21

………。



ジャ「…マスルール？」


中々沈黙が続いたので催促してみる。寝てる訳じゃないよね?

マス「…二人とも、十分成長しました。
特にAさんは教えることはもうないと思います。気を抜くと手合わせでは俺も押されますし」


うん、起きてた。
そして、一番凄かった。


シン「報告ありがとう。トルメスの件を含め今後彼女に大きく変化があれば随時…」
マス「…あの……っ!」



っ……………!?


この部屋にいた全員が目を見開いた。
マスルールがシンの言葉を遮りしかもかなり声を荒げた。あの寡黙なマスルールが、だ。
私も動揺して何かしら言おうとするが言葉が見つからず口が開いたままになっている。



その無音は厳かに破られる。



マス「…Aさん……、 ファナリスなんじゃないすか」




・
・




ヤム「それはないわよマスルールくん! だったら何であんなに魔力があるのよ!

…何、親が魔導師だったとか?」


魔導士のプライドもあってか、感情が籠った声で反論するヤムライハ。

ファナリスは魔力量が少ないのが常で、その分体力がある点で私たちと比較して強さの均衡がとれているらしいことは私も知っているため、ヤムライハに同感だ。
髪もモルジアナやマスルールのようなファナリス独特の赤髪ではなく藤色である。

何故そんなことを唐突に? Aさんの強さが尋常じゃないからか?
確かに不審ではあるが…。


シン「彼女のもともとの家族構成は知っているか?スパルトス?」


付き合いが一番長いからとシンが問うが、


スパ「家族はおろか出身地すら解らないと」

ジャ「……そう…ですか」

嫌でもAさんが鎖で繋がれていた身分だと顧視してしまう。


沈黙。


ヤム「……直接聞いてみようかしら」

シャル「いや、だから、A自身も知らな…」


ヤム「……違うわよ、……。」




・



・



・




ヤム(…そうじゃ、なくて……)

第254話→←第252話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す