【マギ】 シンドリアの市場の少女は魔導士でした5

第224話 ページ40

モルジアナが不自然なリズムでノックすると内側から同じリズムで返ってきた


白瑛「今のは…」

モル「マスルールさんですここで観察するんです。さぁ入ってください」

白瑛「どうやって隣の部屋の予約を?」

モル「……内緒です」


何したんだよ…と常人なら恐ろしがるところを白瑛はさらりとスルーしてその部屋に入った

彼女達のAさんの見合いの観察・・・否、盗聴が始まる。




モル「マスルールさん、まだ相手は来てないようですね」

マス「あぁ。 ……?」

モル「白瑛さんに私の策を気づかれました」

白瑛「お邪魔はしませんが情報はあったほうが便利ですから」

マス「はぁ。(手強い人、か)」


さてそのとき、隣から声が聞こえてきた
ファナリス二人は口を閉じ、白瑛は壁へ耳を近付けた


ピス『…も聞いたけど、Aちゃんなんで見合いする気になったの』
A『気になったというか、前々から良いお話があったら…と思ってましたから
年も考えるとそろそろそういう時期ですし』
ピス『年って……。私達と変わらないじゃん』


“私達”には未婚の仲間が含まれているらしい。事実、八人将の過半数はAより年上で未婚だ。

A『うーん、私達商人は結婚が早かったりしますから』
ピス『でもさ、王様だってあの年で未だに結婚してないよ?』
A『え?まだお若いから良いんじゃないですか?』


　》ガタタッ《


ピス『……何の音?』


白瑛「…今の音、二つ向こうの部屋からのようですね」

マス「……シンさん…同じことやってるみたいだな(溜息」

モル「あの人は盗聴が趣味なんですか?(バルバッドの件)

…シンドバッドさんがいるとなればジャーファルさんも一緒かもしれませんね」


いい…というか悪いタイミングの物音について、推測を一通り話すと、再び黙り耳を澄ませる三人


A『…でも、“良い人”だったらの話ですよ。合わない人ならちゃんとお断りします。
私そこまでお人好しじゃないですもん』

三人が安心していると廊下の方と壁の向こうの両方から新しい声が。

男『Aちゃん、相手が来たぞ』





全「「!!」」


先日モルジアナが会った仲介者らしき男の言葉に、一層緊張感を高める。

幾人かの足音。戸の開かれる音。

対面したらしい。




ピス『あれ?確か君って……』



怪訝な声。




A『…クトゥーさん?!』





モル「っ!!?」




見合い相手は、Aの知り合いであり、また、最も苦手とする人、

クトゥー・スラだった。

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