第217話 ページ33
紅覇side
なんで
なんで解ってくれないんだろう
自室に戻っても、寝ることはできない心地だった僕は、うちに劣らない廊下を俯きながら歩いていた。
…紅玉は止めたがってるけど、Aちゃんはあんなにあっさり見合いを引き受けちゃって。
シンドリアに好きな人とかがいるなら未だしも、それを否定する行動じゃん。
…だったら、
『なんで僕じゃないの?』
ジュダル君がAちゃんに煌に来いって誘ったのも断ってる。
でも僕にはこの国にいる理由が解んない。
…これは 僕が煌の皇子だから他国より自国の方が好きなのは当たり前であって、シンドリアを悪く言おうとかは一切含んでない意見。
Aちゃんに毎日会いたいっていうただの我儘ではあるけれど。
ああ、考えても考えても、頭が痛くなるばっかり……((??「紅覇皇子様どうなさいました?」
気だるい顔で声の方に目を遣ると…──というか声で解ったが、──件の彼女が廊下の端に立っていた。
僕が無言でいると、不思議そうに近付いてくる。
A「調子悪いんですか?」
紅覇「……うん」
触れられる程の近さになると、今度は小さくだが返事し、頷き、
それから僕は、
“腕に力を込めた”。
勢いでAちゃんの背は壁についてしまっていたが気にしない。
A「紅覇皇子…!?そんなに悪いんですか!?」
紅覇「…うん」
僕の腕の中にいるAちゃんがどんな顔をしているのか、それは見えない。
きっと、僕を心配してて、頭の中には僕のこと以外は何にも考えていないような表情だ。
A「医務室いきますか?」
紅覇「ううん…このままでいいや。ちょっと休んだら、良くなると思うしぃ」
彼女の不安げな声音に、安心感を覚える。
Aちゃんの手が、小さな子を宥めるように僕の背中をぽん、ぽん、と叩く。
……。
……………。
たぶん数十秒しか経っていないけれど、これほど心が落ち着いて、かつ、動悸がしたことはなかっただろう。
幸せな時間っていうのはこういうことを言うんだ。
……しかし、その時間は本当に短くて。
シャル「…何してんだ皇子さん」
ぎらぎらした言葉。
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カルティ(プロフ) - ゆっぴ@(ー□ω□ー)さん» ゆっぴ@(ー□ω□ー)さん返事遅れてすみません! ありがとうございます!! 頑張ります!! (2014年11月6日 21時) (レス) id: 78d1e56aa2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ@(ー□ω□ー)(プロフ) - カルティさん» いえいえ〜。ホントに面白いですよ、この小説!これからも頑張れ!(((o(*゚▽゚*)o))) (2014年11月1日 6時) (レス) id: 55cd45edba (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ゆっぴ@(ー□ω□ー)さん» ゆっぴ@(ー□ω□ー)さん、 コメントをいただけるとは……!久々すぎでPCの前で震えております(笑) ハッピーハロウィンです!本当にコメントありがとうございます!最初からずっと見てくださってるなんて…まとめ能力のない私には最上級の言葉です!本当にありがとう!! (2014年10月31日 21時) (レス) id: 78d1e56aa2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ@(ー□ω□ー)(プロフ) - カルティさん、ハッピーハロウィン!最初からずっと見てます!更新頑張ってください(=゚ω゚)ノ (2014年10月31日 17時) (レス) id: 55cd45edba (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 華さん» うわああ!?コメントくださっていたんですね華さん・・・・。 申し訳ありません。 ジャーファルさんは尊敬に値しますね (2014年9月22日 19時) (レス) id: 78d1e56aa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルティ | 作成日時:2014年6月15日 18時