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第181話 ページ45

紅玉side

アリ「紅玉紅玉!こっち来いよ!」

紅玉「何よぉアリババちゃん 私、Aちゃんと話す機会はあったのに、ほとんど話せなくて落ち込んでるのよぅ」

アリ「そのAさんが踊るって!見たくないか?」
紅玉「!」


アリババちゃんの声に、私のみならず御兄様やシンドリアの方々、大勢が舞台の方に足を向ける






最前列に招かれ、見ると


A「曲だけで詩は要らないです…もう少し長めの剣はありますか?あ、その剣お借りしても?」


打ち合わせ中らしい

それが終わると、舞台の真ん中で、胸の前で剣を持ち、光を反射させる

ターン、ターン、…

鼓などの打楽器が鳴り始める

A「………」

動かない。

タン、タ─ン、…

A「………」

まだ動かない。

大きく、息を吸った。

つられて私たちも息を飲む


そっと足が動く、体重が移動し片足に乗る

くるりとターン

さらにくるくる回りながら剣を上へと持ち上げていく

ゆっくりとした節奏
ゆっくりとした動き



そこから一変。





弦楽器が加わり小気味の良いリズムになり、加速する

合わせてAちゃんの動きも速くなる


一人で使うには広いステージで 端から端まで踊る剣。

荒々しいのに、『雑』という言葉がまるで似合わない


中央に戻ってきたAちゃんは最前列の私たちに近付いてきてぎらりと剣を突き出す。

民衆から、きゃ、とか、うわっ、という小さな悲鳴があがる。

危うく私も声を出しそうになり、慌て口を手で塞ぐ、
……剣先から私たちまで、3人分は空いてたのに、気迫に飲まれた。


似た動作を舞台の左右でも繰り返す

一瞬、剣先に松明の火が反射して鮮血が散ったのかと、目を見張った



曲がなだらかになっていく

クライマックスはさっきのだったのね…

旋律は歩くような早さになり……


…悲しい、音色?



楽器の音は小さくなり小さくなり
一つまた一つと消えていく


そしていつの間にか踊り子は 舞台の中心で座り込み、右手で顔より高く剣を掲げ、左手を沿えながら刃先を彼女自身に向け、目を閉じていた

まるで右手を離してしまえば、剣は鋭く彼女の首に刺さる格好――

紅玉「ひっ…」


思わず目を背けると、隣のアリババちゃんも焦燥の色を見せていた

最後の楽器、始まりから使われていた鼓の音が消えるときに
Aちゃんの右手から剣が滑り落ちたのだ

片足が前へと伸び それを追うように体が前に倒れる


辺りがしん、と静まりかえる



紅玉「A……ちゃん?」

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設定タグ:マギ , シンドリア   
作品ジャンル:アニメ
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ノア(プロフ) - 最後のこうはくんと紅玉ちゃんが面白かったですww (2017年8月10日 23時) (レス) id: 8709e9d8e1 (このIDを非表示/違反報告)
- あ、あと神谷さんとか鈴村さんとか…きりが無いです… (2014年6月18日 18時) (レス) id: 29a34c4407 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - ああ。嬉しいなあ。続編。嬉しいです。 (2014年6月15日 18時) (レス) id: 471b80325d (このIDを非表示/違反報告)
エンジェル(プロフ) - 華さん» いえいえ!私も木村良平さんとか好きですよ!もうヤバイ!寺島さんとか、緑川さんとか! (2014年6月13日 22時) (レス) id: cfc6cc5418 (このIDを非表示/違反報告)
エンジェル(プロフ) - カルティさん» あまり来れてないけどちゃんとお話と返事は見てるよ! (2014年6月13日 22時) (レス) id: cfc6cc5418 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カルティ | 作成日時:2014年3月26日 19時

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