【マギ】 シンドリアの市場の少女は魔導士でした４

第148話 ページ12

果物が珍しかったその地での私の主は、私をちょくちょくその店に買い物に行かせた。

口にすることはできなかったが、果実の甘酸っぱい香りは、足取りを軽くした。



??｢ん？また来たね、A。今日で店じまいだから、会えてよかったよ。｣

A｢・・・・・・次は、どこに店を開かれるんですか｣

??｢隣の国か・・・まだ決めてないね。
その後は一度商品を調達するためにも国に戻るから、そこに半年くらいはいるさ。
果樹園があってね、そこにちゃんと店も建ってる。
今やってるのは出張の店。わかるかい？｣

A｢・・・・(頷
・・・・・・国、どこですか？｣

??｢･････････あんたみたいに枷のついた人がいない国、


シンドリアっていう島国さ｣


A「……ふぅん。」

??「おいで。」

A「……え?」

??「シンドリアに。

あんたを連れ去ってやる。」


そして、私はそこから連れ去られた



――――――――
―――――
――

マス「……?」

A「……勝手に連れてきちゃったんですよ。
私の主人の許しもなしに。
前々から交渉はしてたらしいんですが…」

マス「……」

A「…その人が、私の店を営んでいた、クレアリアさんです。

私を連れ去った次の日から隣国で店を張って――キャラバンみたいな店でしたから。
そこで枷が外れて。

そのあとも村とか回って……シンドリアに来たのは今から2年前…かな?

まあ…初めはびくびくして引きこもっておばあちゃ…クレアリアさんとしか話さなくて。

商人の基礎はここに来る前からもずっと叩き込まれました。字の読み書きも。

会計とか慣れてきたと思ったら
いきなり客に紹介されて、接客まで。


・・・まぁ、シンドリアに来て早いうちから接客に興味はあったんですけどね。
接客は髪を短くしてからはじめたのでいまとふんいきがちがってたんでｓ･･･って余談でした。

……楽しかったので一度も嫌だとは思いませんでしたよ」


ふぅ……とりあえず、話を終えた


マス「………その人は?」

A「ぽっくり。」

マス「……;」

A「果樹園で倒れて、２日後に薬石無効で亡くなりました」


マス「………。……スパルトスさんとはいつから知り合いなんすか?」

A「えっ、あ…あぁ『いきなり客に紹介されて』って言いましたよね。
あれ、初めに紹介されたのはスパルトスさんだったんです。
今振り返ると動揺して無愛想な自己紹介でしたけどね…」

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