6人目のメンバー【ars】 (ページ5)

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ちっか！近い！
熱が顔に溜まっていくのがわかる。

「真っ赤っか。照れてる。可愛いー」
「ひぃっ…」

大野さんがふにゃふにゃ笑って、ちょん、とお互いの鼻先が触れた。

「っ！！！」

一瞬だけ。

「いい加減離れろ」
「っあ、あー…まつずん力強い…」

松本さんに引きずられてる大野さん。
…助かった。
心臓が口から出そうだった。
さっきからのことで寿命10年くらい縮まったよたぶん。

ドキドキドキドキ鳴り続ける胸に手を当て、ふぅ、と息を吐く。
目の前にいる嵐の5人から逃げるように目を閉じる。

…大丈夫よ私。

これは夢。

悲しいけどきっと目が覚めたら元の日常に戻るんだ。

「なにしてんの？」

ちょっと怖い顔の二宮さんに、グッと手を掴まれた。
また夢に引き戻される。
痛いし…。

「まさか大野さんに惚れた？」

鋭い目。

「答えろよ」

テレビと違う低い声。
怖い。
イケメンだけど怖い。

「…惚れて、ません」
「本当？」

薄茶の瞳に顔を覗き込まれて思わず首をひっこめた。

「なんで逃げんの？」
「…逃げてません」
「え、なんで敬語？」

怖かった声が不思議そうな声に変わっていく。
仕方ないじゃん！
初めて会った人だし！
そして天下の嵐だし！

「ニノ怖すぎるもーん！」
「あんたに聞いてないわ！」
「怖かったねー？A大丈夫？」
「無視かよ！」

相葉さんが隣に来て私の頭をポンポンと叩く。
優しい。

「…俺のこと忘れてませんかー」
「あ、いたんだ翔くん」
「…智くん酷い」

櫻井さんががっくりしてる。

突然楽屋のドアがコンコンとノックされた。
知らない男性が顔を覗かせる。

「嵐の皆さん、撮影の準備をして下さい」
「はーい」

5人が返事をすると男性はいなくなった。
…え？
私は？
無視？
ある意味不審者なんですよ？私。
なんで警備室とかに連れて行かないんだ。
…連れて行かれたらそれはそれで困るけど！

「それじゃ行きますか！」

がっくりしてたはずの櫻井さんが立ち上がる。
他の4人も。
座っているのは私だけ。
だって私は違うし。
と思っていたら。

「Aも行くよ、ほら立って」
「っえ？」

二宮さんに無理やり引っ張られて立たされる。
なんで私も？

「なんで戸惑ってんの？」

櫻井さんになぜかちょっと笑われる。
…戸惑うよ普通！

「なんで、私もなんですか…？」
「…は？なんで？え、どうした？」

二宮さんも笑う。
なんで？
なんで私も？

「だってA」

櫻井さんが口を開く。

「俺ら6人で嵐じゃん？」