お嬢様と執事【影山】 ページ1
夜の1時を回った頃。
真夜中に。
私は叩き起こされた。
影山「お嬢様、夜分遅くに申し訳ありません」
ぺこりと、綺麗なお辞儀。
それをベッドの上から見下ろしつつ。
「…」
…申し訳ないんなら起こさないでよ。
と、悪態をつく。
影山「…お嬢様？」
銀のメガネから覗く目が、私の様子を伺っている。
「…何よ」
影山「大変申し上げにくいのですが…」
「早く言いなさい。眠いの」
影山「……」
「…」
影山「……」
「影山？」
黙りこむ。
…もしかして、悩んでるの？
影山「……」
いや。
まさか。
この男に限ってそんなこと…。
影山「私のソーセージが大変な状況なのです」
「…は？」
口を開いたと思ったら。
影山「…硬く変化してしまうのです」
意味のわからないことを言う。
「……」
ソーセージが硬くなるって。
腐るってこと？
カビ？
…そんなの。
「影山が早く食べないからじゃないの？」
影山「…私は食べられません」
はあ？
「あなたのソーセージなんじゃないの？」
影山「ええ。私に着いてるソーセージです」
はああ？
影山「お嬢様を見ると、カタチが変化いたします」
「……私を見ると、カビでも生えるって？」
影山「いえ、そういうことではなくて…」
「遠回しの嫌味かしら？やめてよね……私寝るわ」
影山「お嬢様！」
「っ？」
突然の大声。
ずいっと影山の整った顔が近づく。
影山「あなたが好きです」
…は？
「え？」
影山「今まで我慢してきましたが、もう限界でございます」
しゅるり、とネクタイを解く。
苦しそうな、愛しそうな瞳が。
影山「…ですので、お嬢様の“ハジメテ”を頂きます」
ドン、と。
押し倒された。
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作者ホームページ：http: 作成日時：2014年9月30日 10時
