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追及 ページ9

「な、何よ…」


意味なんて無いけれど、思わず両手で自分自身の体を抱きしめる。

この人、やっぱりまだ酔っているのか。と考えた時、彼の肩を誰かが掴んだ。



「どういうことだ?お前…その杖がどういうものかも知らずに、ずっと持っていたって言うのか?」


そう言って私から視線を逸らさないのはソロモンだ。

イスナーンを自分の後ろにおいやった彼がズイっと私の前に踏み出る。



「だから!さっきも言ったように、母から大事なものだとは聞きました。それ以上のことは知りません」



鋭い視線。

何かを警戒するように私のことを探る彼の目に少しのイラつきを覚えた。


だから声を荒げて言い返した私は、フンっと顔を背ける。

この人のせいでこんなところに連れてこられたんだ。


怒っていないわけがない。





「いいや、おかしい。お前は聖教連で教育を受けているはずだろう?」


「じゃあ、それを受けていないと言ったら?」


ジトっと視線だけを動かして彼を睨み付ける。



「なんだと?」


顔色を変えずに、寧ろ先ほどよりも鋭い視線が向けられた。

だからなのか、心の中に嫌な気持ちが渦巻いていく。




私をここへ連れてきておいて、みんなの前でこんな風に私を問いただすだなんてあんまりだわ。



「もういいでしょ?誰が何と言おうと私は出て行きます。助けてくれてありがとう。お世話になりました」


ぺこっと頭を下げて今度こそ出ていこうと身を翻す。




早くこの場から離れたい。

こんなところにいたくない。


その一心で歩き始めた私を、とある声が止める。





「もしかして、君の持っている神杖は数年前に大聖堂府を抜け出した家族が持って行ったものじゃない?」



ピクリと肩が反応して、思わず大きく目を見開く。


歩みがピタリと止まった。




「あぁん?ウーゴてめぇテキトーなこと言ってんじゃねぇ。なんだその話は?」


「イスナーンたちは知らないかもしれないけれど、アルバやソロモンならわかるよね?」




ドクン


ドクン


ドクン



心臓が大きな音を立て始める。

自然と息が上がる。





「あぁ、そんなこともあったか………」


ソロモンの声だ。

覚えているような、いないような…そんな曖昧な返事。




「確か2本が持ち出されて、そのうちの1本は魔導士達が奪い返…」
「やめてっ!!!」


ウーゴさんの声を遮るように私は大声を上げた。






「やめて…やめて…………お願いだから、やめて……」

記憶の蓋→←神杖



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設定タグ:マギ , ソロモン , アルマトラン   
作品ジャンル:アニメ
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ミヅキ(プロフ) - アリスさん» お返事遅くなってしまい、すみません!!(;><)ありがとうございます。頑張ります!! (2015年7月13日 23時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 頑張って更新してください!楽しみにしてます (2015年6月15日 23時) (レス) id: 263fd153e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - 彩星さん» 久しぶりー(≧∇≦) このところリアで色々ありすぎて、なかなか占ツク来れない(・_・、) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - ムックさん» コメ返遅くなってごめんなさい(>_<) 本当ですか!?そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
彩星 - 久しぶり〜! (2015年3月28日 12時) (レス) id: 0e7062ca6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミヅキ | 作成日時:2014年8月1日 20時

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