検索窓
今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:33,064 hit

帰る居場所 ページ49

「セッタの言うとおり、Aは怪我してんだ。静かにしてやれ」


そうやって、2人を咎める3人の声にファーランが不服そうな声を漏らす。



「お前のせいで私まで叱られたアル」


「な、なんじゃと?!」


こうして、いつものように2人が喧嘩を始めた。


それをウーゴが宥めるように間に入っている声が聞こえてきて、なんだか笑ってしまう。


そんなどこか賑やかな雰囲気も暫くすると静かになった。



平和な時間が戻って来たと感じて、一度目を閉じた私はソロモンの顔を見上げる。


真っ直ぐと進行方向を見ている彼の綺麗な顔が太陽の光に照らされて尚、際立つ白い肌に見えた。


そして彼の青い髪が風にたなびいている。







きれい…






やっぱり、好き。





そう感じた私は無意識のうちに彼の名前を呼ぶ。



「ソロモン」



「ん?どうした?」


「あ、いや、えっと…」


問いかけられて口ごもってしまう。




「や、やっぱりなんでもない!!」


恥ずかしくなった私はそう言って彼から視線を逸らす。




「そうか」


すると、何事もなかったかのように返事を返した彼が再び進行方向に顔を向ける。




「…。」



自分から「なんでもない」と言い放って会話を終了させたのに、彼のそんな返事に胸がざわつく。






「…ねぇ、ソロモン?やっぱり耳貸して」



私がそういえば、「ん?こうか?」と私の顔に耳を近づける彼。



彼の耳元に手を添える。




「あのね…」









“好き”









ソロモンだけにしか聞こえないような、小さな声で囁く。


驚いた彼が、パッと私の顔を覗き込む。




「助けてくれてありがとう…」



熱くなった顔で私がそう付け足せば、彼が言葉を零した。




「先に言われちまったな…」




「え?………んっ!!」



聞き返す私の唇を柔らかい何かが当たった。

けれども、それは直ぐに離れる。



「ソ、ソロモン………??」


名前を呼べば彼の真剣な目が私を捉えた。




「俺も、同じ気持ちだ」


そう言うともう一度、私の唇に柔らかいものが触れる。





「だから、今日みたいなのはもう懲り懲りだぞ?」



優しく微笑む彼にコクリと頷いたあと、嬉しさのあまり頬を緩める。




「ほら、見えてきたぞ」



彼の言葉に進行方向を見つめれば、私達の帰る家が見えた。





「ただいま…」




あそこが、私の見つけた新しい居場所。



そして、今日からはソロモンの隣りもまた私の居場所だ。



-おわり-

あとがき→←勝利の帰路



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
67人がお気に入り
設定タグ:マギ , ソロモン , アルマトラン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミヅキ(プロフ) - アリスさん» お返事遅くなってしまい、すみません!!(;><)ありがとうございます。頑張ります!! (2015年7月13日 23時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 頑張って更新してください!楽しみにしてます (2015年6月15日 23時) (レス) id: 263fd153e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - 彩星さん» 久しぶりー(≧∇≦) このところリアで色々ありすぎて、なかなか占ツク来れない(・_・、) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - ムックさん» コメ返遅くなってごめんなさい(>_<) 本当ですか!?そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
彩星 - 久しぶり〜! (2015年3月28日 12時) (レス) id: 0e7062ca6e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミヅキ | 作成日時:2014年8月1日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。