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勝利の帰路 ページ48

気が付くと目の前にソロモンの心配そうな顔があった。





「…A!」



私の名前を呼んでホッしたような彼の表情。

キュッと体に感じた力に、抱き抱えられていることが分かった。




「…ソロモン……………お父さんは?」



思わず、そう問いかければ彼の表情が曇る。



そうだ。


聞くまでもなかった。




父の腕の中で、それを悟って声を上げて泣いている所をソロモン達が瓦礫の下から見つけ出してくれたんだ。




「ごめん…困らせたちゃったよね」



「いや、いい。………Aの親父さんはイスナーン達が運んでくれている」



「そっか…」



なんて言葉を発せばいいのか分からなかった。


なんとなく首を動かして辺りを見回せば、見慣れた仲間に混じって幼い少女が布にくるまっている。



ピョコっと猫の耳のように跳ねた桃色の髪。


そんな可愛いらしい少女が、戸惑った様子でアルバの近くに座っていた。



きっと、塔で神杖を使わせられていた子に違いない。




気になった私は声を掛けてみようかと、ソロモンの腕の中から、起き上がる為に体に力を込める。


けれど、そんな私の頭を彼が優しく撫でた。



「無理するな」








“…きっと、青い髪の彼が…彼ならお前を守ってくれる。…お前を幸せにしてくれるだろう………”





「…。」



ソロモンの優しさに触れたからかな…?


先程の父の言葉が頭をよぎった。



そんな私をよそに、彼が呆れたように口を開く。



「ったく…お前は無茶しすぎだ。どれだけ心配したと思ってる?」


「ご、ごめん…」


「もし、お前の親父さんが居なかったら………と、思うと…」



そう言って私から視線を空したソロモン。



そんな彼の肩を横からポンッと叩く腕があった。

彼の隣に座っていたファーランだ。




「全く。ソロモンは、Aの事で取り乱し過ぎアルよ」


「ファ、ファーラン…」


「Aが瓦礫に埋まっている間、いつもより口数が多かったアル」


「き、気のせいだ」


何故かタジタジになっているソロモンに、「ファー」といつものように欠伸をかく彼女。


そんな彼女の肩にワヒードの大きな腕が回された。



「辛気臭いやつじゃのう」


ワハハハハと笑い飛ばし気味にやってきた彼にソロモンが肘でつつかれている。


そんなやり取りに、ウーゴが苦笑いで口を開く。


「ちょっ、その辺にしときなよ」



「クールじゃないな。静かにできないのか」

帰る居場所→←父の願い



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設定タグ:マギ , ソロモン , アルマトラン   
作品ジャンル:アニメ
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ミヅキ(プロフ) - アリスさん» お返事遅くなってしまい、すみません!!(;><)ありがとうございます。頑張ります!! (2015年7月13日 23時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 頑張って更新してください!楽しみにしてます (2015年6月15日 23時) (レス) id: 263fd153e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - 彩星さん» 久しぶりー(≧∇≦) このところリアで色々ありすぎて、なかなか占ツク来れない(・_・、) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - ムックさん» コメ返遅くなってごめんなさい(>_<) 本当ですか!?そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
彩星 - 久しぶり〜! (2015年3月28日 12時) (レス) id: 0e7062ca6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミヅキ | 作成日時:2014年8月1日 20時

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