シナリオ ページ43
「だったら、決まりだ。コイツの手でお前を葬ってやる」
「なっ!」
1人楽しそうに口を開いた青年に私とアルバは身構える。
「父親が実の娘を手に掛かる。…どうだ?最後に相応しいシナリオだろ?」
「…させないよ。Aには僕がついている」
ニィッと笑った彼に、何時になく低い声を出したアルバが私より一歩前に出た。
青年に睨みを利かせて私を庇おうとしてくれる。
「だったら、お前も道連れだ」
そう言った直後にあごで父に命を下した。
すると、父がゆっくりと私達に向けて再び神杖を向ける。
「お父さん!!」
父を呼んでアルバより前に出ようとする。
「ダメだよ!Aは下がって!!」
「お願い!私の…私とお父さんとの問題名前の!!」
「無理だよ!彼は操られているんだ!!」
それでも、アルバの制止を振り切って前に出た私は尚も訴え掛ける。
「ねぇ、お父さん!!本当に私がわからないの?!Aだよ?お願いだからやめて!!」
「A!!」
アルバが私の服の袖を掴んで、引っ張るけれどそれを振り払う。
「お父さん!私たちは家族でしょ?ねぇ、目を覚まして!!」
いくら言葉を並べて訴えかけても父の表情はピクリとも動かない。
それどころか、冷たい表情で私達を見据えている。
そして、ついにその時がやってきた。
「
低く冷たい声とは対照的に、高温の炎の球体が彼の周りに複数形成される。
メラメラと燃える高温の火の玉。
父が杖をひとふりすれば、それは私たちを捉えるまで追いかけてくるだろう。
じわっと目元に涙が浮かぶ。
お父さんに私の声が届かない。
「どうして…」
ポツリと言葉を口にした途端、涙がこぼれ落ちた。
昔は母と一緒に私のことを可愛がってくれた父。
家族思いで優しい父。
魔法が得意な父。
私の中にある父からは現在の行動は全く想像できないものだ。
だからこそ悔しい。
お父さんを元に戻したい。
気がつけば、勢いよく息を吸い込んだ私はギュッと目を瞑って力の限り叫んでいた。
同時に父の杖が振り下ろされる。
「もうやめて!!」
その瞬間、辺りはキィィィィィィンという耳鳴りのような高い音と爆発音に包まれた。
一瞬、誰もが何が起こったのか理解できなかった。
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ミヅキ(プロフ) - アリスさん» お返事遅くなってしまい、すみません!!(;><)ありがとうございます。頑張ります!! (2015年7月13日 23時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 頑張って更新してください!楽しみにしてます (2015年6月15日 23時) (レス) id: 263fd153e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - 彩星さん» 久しぶりー(≧∇≦) このところリアで色々ありすぎて、なかなか占ツク来れない(・_・、) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - ムックさん» コメ返遅くなってごめんなさい(>_<) 本当ですか!?そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
彩星 - 久しぶり〜! (2015年3月28日 12時) (レス) id: 0e7062ca6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミヅキ | 作成日時:2014年8月1日 20時