魔法がキライな魔導士【マギ】

友だち-過去の戒め- ページ28

今から5年前。

父を失った私と母は、魔導士に見つからない居場所を求めて旅をしていた。



沢山の種族の里を回った。


私達の姿を見て魔導士と知るや否や、追い返された事だって何度もある。



そんな中、私達を受け入れてくれた種族があった。




鳥人族(ガルーダ)だ。





「A！遊ぼう」



木の幹の上で空を見上げていた私は、元気よく顔を覗かせてきた彼女に笑顔を向ける。



私たち魔道士よりも体が大きくて羽が生えていて、優しくて、温かくて。



………私はそんな彼女たちが大好きだ。





最初はお互い戸惑いもあったけれど、近頃ではすっかり馴染んでいる。




いつも一緒の私と彼女は一番仲のいい友だちで「姉妹みたいね」とよく言われた。




それが嬉しくて毎日遊んでたっけ…




「いいよー！ねぇ、私、空飛びたい！！また乗せてくれる？」



「うん。今日はちょっと遠い所まで行こうよ！！私、綺麗なお花畑を見つけたんだ！」



彼女の頭の上に乗ってその髪を掴む私。


「お母さん達にはナイショだね」と小さなヒミツを共有できる嬉しさから耳打ちした。


「ふふふっ」と嬉しそうに頷く彼女に問いかける。



「髪、痛くない？」


「大丈夫。じゃあ、行くよ！！」




その言葉とともに、彼女の足が宙に浮く。


ふわりと私を乗せた彼女の体が高度をあげて翼が空中で風を掴むと、目的地であるお花畑へ向かう。




それからと言うのも、お花畑に通うようになった私たちは、いつしかそこへ他の子たちも誘うようになって賑やかになった。

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