魔法がキライな魔導士【マギ】

意地 ページ18

ここで狼狽えたら負けだ。

そう思って、バッと彼の手を振り払うと大げさにフイっと顔を背けた。



「当たり前でしょ。反撃する余裕があったらこんなにバテてないわ」


「そうか」

と短く返事した彼に、納得してくれたのかと内心で息をつく。



「じゃ、ちょっと座って休んでろ」


「そうするね！」


「そのあと、イスナーンともう一戦な」


ところが、そんな一言が聞こえて慌ててソロモンを振り返る。



「ちょっと！貴方、私の話し聞いてたの？」


「あぁ」


「だったら、もうそんな体力残ってないわ」

フンッと腕を組んで言い返す。


「誰も今すぐにとは言っていないだろう？」


「もう嫌よ！初めて会った日に私は“魔法が嫌いだ”って、言ったでしょ！！」



「だからって逃げるのか？」

鋭いソロモンの目が私を見据える。




なんなの、知ったような口を聞いて…



「もういい！私、魔法の練習やめる。ソロモンがやれって言うから仕方なくやっていただけだもの。セッタさん、付き合ってくれてどうもありがとう」


そう告げてツカツカと部屋の出口へと足を進めた。

丁度その時に、イスナーンとウーゴさんが入ってくる。


「おいおい待てよ！A、どこ行くんだ？次は俺と相手するんだろー？」



「しません！イスナーンどいて！！」

グイっと彼の肩を押しやる。


「一体、何があったんだい？」


「ウーゴさん…別に何もないよ」


心配そうなウーゴさんにはニコッと笑いかけておく。

すると、そんな私の対応の違いにイスナーンが腹を立てたらしい。


「おい、ちょっと待て！！なんで俺だけ呼び捨てなんだよ！！」

ガシッと肩を掴まれる。



「なんとなくよ！そっちこそ、初対面の私に馴れ馴れしかったじゃない！！」


酔っていたとは言え、後ろから突然肩に腕を回したことを覚えていないとは言わせない。

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