家族の夜 ページ14
あれから数時間後。
既に外は真っ暗な闇に包まれている。
私はというと、大きな広間で立ち尽くしていた。
だってそこには抵抗軍の人たちが沢山居て、それぞれが思い思いの場所にシーツを引いて寝転がっているんだもの。
一人で居たい私にはたまったもんじゃない。
「本当にこの部屋で眠らなきゃダメなの…？」
「部屋が余っていないし、家族でいたほうが寂しくないからね」
顔を引きつらせて呟いた独り言のような言葉に、アルバさんが返事を返した。
そうして、返ってきた言葉に今度は眉根を顰める。
「家族？」
「そうさ。A、勿論君もね」
にこっと笑いかけてくる彼女に慌てて言い返す。
「ちょっと待って、私はここの仲間にも家族にもなるつもりなんてありませんよ！」
「A、まだその話してるアルか。いい加減諦めてこっちに来るアルよ」
そう言って欠伸をしているファーランさんが私を手招きをしている。
「とっ、とにかく！暫くお世話になるだけで、私はその内ここを出ていきますからねっ！！」
そうだ。
昼間にあんなことがあったから仕方なく流れでここにいるけれど、あくまでも私はここを出て行くつもりだ。
勝手に仲間だとか、家族だとか言われても困るし、正直わからない。
「あーもう！A、さっさと寝ろよ。うるせーぞ」
迷惑そうに顔を歪めたイスナーン。
面倒くさい奴だと彼の目が訴えている。
「失礼ね。イスナーンは黙ってて！！」
「お前がな…」
「言われなくても寝るけれど、この部屋は嫌。私は一人で眠れる場所を探してくるから！」
そう宣言をして広間の扉を目指してクルリと振り返った瞬間、目の前に腕組をしたソロモンが立ちふさがっていた。
彼を避けようと私が右によれば彼も右に、左によければ左にと邪魔をしてくる。
「ちょっと、どいて下さい！」
「いーや、ダメだ」
その言葉にキッと彼を睨みつける。
「どうして？私はこの部屋で眠りたくないだけなの」
「とかなんとか言って、目を離した好きに逃げるつもりだろう？」
そう言って、得意げな顔でニッと笑ったソロモン。
「…。」
あながち彼の言葉は間違いではない。
数日間ここで過ごしたあと、みんなの気が抜けた頃にこっそりと逃げ出そうと考えていたからだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミヅキ(プロフ) - アリスさん» お返事遅くなってしまい、すみません！！（；＞＜）ありがとうございます。頑張ります！！ (2015年7月13日 23時) (
レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 頑張って更新してください！楽しみにしてます (2015年6月15日 23時) (レス) id: 263fd153e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - 彩星さん» 久しぶりー(≧∇≦) このところリアで色々ありすぎて、なかなか占ツク来れない(･_･、) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - ムックさん» コメ返遅くなってごめんなさい(>_<) 本当ですか！？そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2015年4月3日 21時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)
彩星 - 久しぶり〜！ (2015年3月28日 12時) (レス) id: 0e7062ca6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミヅキ | 作成日時：2014年8月1日 20時
