第三十三舞『救済の為術』 ページ33
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国木田にこの場を任された敦は、迷いの無い瞳をして居た。
敦に襲いかかる大勢。
敦は手足に白虎を宿し、素早い動きで相手の背後に周り、首の後ろを叩いて気絶をさせる。
壁を駆け上がってまた背後に周る。
敦は息を切らしていたが、あっと云う間に片付けた。
ふう、と安堵の息を吐く。
敦は、背後に気配を感じた。
気配のする方に振り返るも、それは遅かった。
敦は、上半身に強烈な蹴りを喰らった。
腕で防御をするも、吹き飛ばされた敦。
地面に虎の爪を引っ掛け、体勢を立て直す。
はっ、と敦が敵を見上げる。
それは、今まで相手にしていたゴロツキを格段に越える存在。
金色の髪が、風でふわりと靡いた。
髪で隠されていた、片方の赤い目が見える。
つい先日まで敦に向けて居た笑顔は、何処にも無い。
代わりに伝わるのは、激しい敵意と殺意。
「…アイザック」
敦が口にすると、アイザックは首を傾げた。
「…あ?誰だ、あんた」
敦が聞いた言葉は、余りにも辛辣だった。
何時も通りの不機嫌そうな顔、立ち振る舞い。
何時もと同じだからこそ、敦の心境を深く抉った。
「おい、白いの。あんた探偵社ってヤツだろ」
アイザックは懐中に手を突っ込み、敦に歩み寄る。
「もしもーし?無視すんなよ」
そう云って、敦に軽く手を振る。
アイザックが失踪してから、五時間が経つ。
何がこんなにも、彼を変えてしまったのだろうか。
敦は考えた。何も思い付かなくても、自然に思考を巡らせた。
「おい」
敦が気付いた時には、腹部に激痛が走っていた。
敦の腹部をアイザックが蹴り落とし、その衝撃で敦は胃液を吐き出した。
「知らねぇけど、探偵社は潰せって云われてんだよ。何で?」
敦はそれに応える代わりに、自分の腹部にあるアイザックの足を掴んだ。
「…後で、謝れよ…!アイザック…!」
敦はアイザックに真っ直ぐな眼差しを向けた。
「…は?」
「僕は、お前を助けに来た!」
敦は叫んだ。
目の前の彼の、深い場所に届く様に。
アイザックは目を丸めた。
敦はアイザックに一発拳を入れる。
しかし、それは腕で防がれる。
防御した腕の奥から見えたのは、苦しそうな表情をする
アイザックだった。
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要注意異能力者___内務省異能特務課より
アイザック・バシェヴィス・シンガー:身長 169cm、体重 53kg。横浜のゴロツキ。非好戦的だが、気が短い。民間人に危害を加えた事例は無いが、我々は監視を続ける必要がある。
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χCielχ(プロフ) - かれぇらいすさん» ほわ〜!!ありがとうございます!!二次創作ではどれも画像に規制がかかっており、誤字修正の際に申請通してない画像は全部消えてしまって、アッ…となりました…ヒィ...とても申し訳ないです…!あいざくんはこれからも描くので、何卒…ッ!!!! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
かれぇらいす - 久し振りに読み返してます!ところで第三十一舞のアイザ君のすんばらしいイラストはもう見れない感じですか…?私の端末だと写らない(?)のですが…(´・ω・`) (2020年3月16日 0時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» わ〜!ありがとうございます!文スト自体が流血沙汰なので回避しきれない案件です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - χCielχさん» 第一章を読み切りました。アイザックさんも、厄介な過去をお持ちですね汗。根は、レイくんににていますね。細かいところは違いますが... 。少し休憩してから、続編を読んで、いきます。余談、シエルさんの、文スト、どうしても、流血沙汰に(苦笑)。 (2019年9月26日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 那佳さん» ぎえええ!?もしそうならとても嬉しいです(*´-`*) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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