Desire４７ ページ47
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＿＿＿＿その日。突如として壁内に、大きく立派で、それはそれは美しい…桜が咲いた。余りにも珍しい為…桜の咲いたあの場所は、一般人の立ち入りが禁止になった。
不思議な事が起こった。調査兵団団員のリストから謎に白紙の紙が一枚出て来たり、ハンジが何か実験していたであろう報告書も真っ白で。ハンジは「何か調べて居たはずなんだけど…あぁー！思い出せない！」と頭を抱えるなど。
その日から、ちょくちょくリヴァイの姿を見なくなった。
丁度リヴァイに用があり、「兵長はどこに？」とハンジに聞いた所、「リヴァイならいつもの場所じゃない？桜が好きなのか…意外だよね〜」そうへらへら笑っていた。
＿＿＿＿鮮やかな草花がそよぐ、立ち入りを禁じられた場所。そこにリヴァイは一人で居た。桜色の花弁の下。大きな木の幹に寄りかかって座って居る。
片方の膝を立てて、その上に片腕を乗せて座る黒髪の彼。いつもより少しばかり優しい表情をして居る。何ともこの場所が落ち着くらしい。
こつんと後頭部を木の幹に当て、青空と桜の花びらを見る。
碧と桜色。この組み合わせは、どこかで見た事ある様な気がしてならなかった。しかし、気がするだけで…実際、記憶には何も無い。
ただ並々ならぬ感情だけが胸の辺りを締め付ける。温かい様な、されど切ない様な。軽く歯を食いしばったリヴァイ。目を閉じて、ゆっくりと開く。地面に視線を落として、桜の花の隙間から差さる木漏れ日を見ては、落ちている花弁を拾う。
「リヴァイ兵長、やっぱりここに居たんですね」
さくさくと草花の音を立てながらやって来たのは、エレンであった。リヴァイは横目でエレンの姿を一瞥した後、拾った花弁を見詰めながら…口を開く。
「まぁな。ここは人が居なくていい」
穏やかなリヴァイの表情。いつもは顰めっ面で、近寄り難い雰囲気だが。
「桜、綺麗ですね！俺初めて見ました！」
初めて見る桜に、年相応の顔をするエレン。リヴァイはふんと鼻で笑って、「ガキだな」と言う。
「いやいや！これは誰でも感動しますって…。アルミン、あいつは特に。立ち入り禁止にするのは勿体ないです」
「……かもな。だが…不思議な事に、一般人の立ち入りを禁制して良かったと思ってる」
この桜の存在を、なるべく知られたくは無い。なぜだか、そう思った。とてもとても、大切なものに感じてならない。
「…何故だろうな。俺自身、不思議でならねえ」
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桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
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にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です！！こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です！！ありがとうございます！！(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (
レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....！！涙していただけてとても嬉しいです…！ (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです！ (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
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