Desire４１ 罪の記憶：５ ページ41
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壁の上の設備を整える…薔薇の紋章。駐屯兵。
そこに一際背の低い彼、リヴァイも混じって居た。俺は立体機動で壁の上に登り、リヴァイの元へ歩み寄る。
『よ、リヴァイ。何してんだよ』
ひらりと手を振って、名を呼んだ。リヴァイはいつもと変わらぬ表情で、俺を一瞥しては目を逸らした。
『…Aか。お前こそ何してんだ。さっさと戻れ』
確かに俺の名前を呼んだ。つまり『改竄』されて居ない。やはりアッカーマンか。確かに俺は『リヴァイ』と言う名だけ知っていて、セカンドネームは聞いた事が無かった。
…もう、リヴァイに名前を呼ばれる事も無くなるんだろうな。
そう思った。ついそんな気持ちが顔に出てしまい、俺は咄嗟に笑った。無理矢理にでも笑った。
長い事辛さを味わうのも嫌だし、終わらせよう。何気なくリヴァイに触れようとした途端、キン…と金属音。リヴァイの腰から、刃が抜き取られる。そして…。
その刃を俺に向けたリヴァイ。向けたまま、こちらを向かないその＿＿＿＿横顔。
『…触んな。お前がしようとしてる事は分かってる。痛い程にな』
『いや…俺はただ、』
そう惚けたって無駄だ。やっとリヴァイと視線が合う。リヴァイの瞳に、迷いは無かった。
『お前が俺に触れて記憶を消すか、俺がお前の四肢を削ぎ落とすか。どちらが速いと思う。なぁAよ。お前の為とは言わないが、俺にはお前の手足を削ぐ覚悟がある』
鋭い目付き。絶対に忘れてやるものか、といった…そんな表情。決意と、覚悟。
『…削ぎ落とされる方が…速いな、断然。俺はいつだってリヴァイには敵わない。だけど』
自分に向けられる刃を握り締めた。斬れ味の良い刃を握れば当然、掌から血が滲んだ。ぽたぽたと滴り落ちる血に、リヴァイの意識は俺の掌に移る。
『まだ何も、整って居ないだろ。この状況。始祖を宿す彼も子供。自分で力を扱えやしない。状況にそぐわない超えすぎた知識は、いずれ身を滅ぼす。いつの時代でも。人智を超えた者は異端者とされる。だから、何としても』
ずい、と刃を向けるリヴァイに詰め寄り、胸元に刃の先が当たる。
『ごめん、リヴァイ。少し忘れる程度で。思い出させたら…ごめん。その場合は…すぐに見つかっちゃうかもな。俺、髪色目立つから』
ふわりと笑った桜色の青年。余りにも切なげに笑う彼に気を取られ、気付けば…、刃を構える手に、触れられて居た。脳内に電撃が走る様な感覚がした。
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桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
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にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です！！こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です！！ありがとうございます！！(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (
レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....！！涙していただけてとても嬉しいです…！ (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです！ (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
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