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Necromance90 ページ40

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____ドボン。



水の中に落ちる様な音がして、息を止めた。


目が開かない。いや…開かないのでは無く、周囲が想像以上に真っ暗で。光一つ無い。深い深い海に突き落とされた感覚。


ここは『精神世界』。


そろそろ息の限界だ。


「…っがは、」


声を発す事が出来た。二酸化炭素の泡を吐き出すかと思えば、ごく普通に空気を吸えた。如何やら勝手に水中だと勘違いをしていたみたいだ。


ふわふわと身体が浮いている。彼は…アイザックは何処だ。この暗闇の、巨大な空間の中で探すのは一苦労だろう。


浮く身体を捻って向く方向を変える。段々と下降している。それは分かるが…一体何処まで堕ちる?



「アイザック君!!」



本当に時間が無い。藤崎は声を荒らげた。返事は聞こえない。きょろきょろと見渡したって無駄。真っ暗で何も見えない。盲目になった気分だ。こんな時、あの盲目の死神なら如何するだろうか。


その鋭い思考を巡らす。しかし、思い付くより先に…地面らしきものに足が着いた。途端に先程までの身体の軽さは無くなり、ズンと重力が掛かった。


「おっと……重いなあ……」


懐中に手を突っ込み、独り歩き始める。ふと何かを感じて屈み込む。冷気を感じたのだ。手袋を外して地面に触れれば、ひんやりとした氷の様だと感じた。



「…風の音も聞こえる。危ない危ない…多分此処は…」


この場所がどのような物か気付いた瞬間、カッと地面が光を放った。眩しくて腕を目の前にやる。薄らと目を開けると、真紅色の細かな氷粒がきらきら舞っていた。


辺りが明るくなり、精神世界の全体が見える。藤崎は大きな真紅の氷の上に立っており、真紅の氷の先は…断崖絶壁。底など存在しない奈落だった。


背後。人の気配を感じて振り返る。



「…っあ、」



名を呼ぶ前に、捜していたその青年に近寄る。アイザックだ。
真紅の氷が…アイザックの両腕、胴体を氷漬けにしており、青年は首をだらんと前に倒して気を失った状態。淡い金色の髪が彼の顔を隠している。


藤崎は両手で青年の両頬に触れ、体温を確認して安堵する。
…温かい。触れたまま、そっと顔を上げてやれば、それは目を閉じて意識のない眠った顔。



「…待ってて、今出してあげる。君の事、こんな寂しい場所に置いて行ったりはしないから」


足首から短刀を取り出す。それを真紅の氷に振り翳して、氷を砕いてアイザックを助け出そうと考えた。藤崎にしては短絡的な考えだ。相当焦っている。


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何処かの誰かのノート

彼奴を必ず救う。絶対に。


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ekakisitemasu(プロフ) - 1番最後の何処かの誰かのノートの彼奴を必ず救う。絶対に。で大号泣しました、、、、 (2022年10月21日 23時) (レス) @page50 id: 583e2155f1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 天才 (2022年4月29日 13時) (レス) @page50 id: 1cfd8c976c (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ファイさん» ありがとうございます…!笑って泣けるような作品にしたくて書いておりました!こちらこそ埋もれていたであろうこの作品を見つけてくれてありがとうございます、とても嬉しいかぎりです…!!!本当にありがとうございました! (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ - アッ……ヤバイ エッ俺の心臓無事?大丈夫?あ、好き 主様本当にこんな素晴らしい作品を書いてくださり有難う御座います大好きです応援してます大好きです。 最初見たとき大号泣してしまいました。 本当にこんな素晴らしい作品を書いてくださり有難う御座います神! (2021年11月16日 18時) (レス) @page50 id: 1f415ed449 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 白鳥さん» あわわ、ありがとうございます.......!是非に!!!!私も白鳥さんのような方に出会えて嬉しさの極みでございます…ありがとうございます.......!!! (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:χCielχ | 作者ホームページ:χCielχ  
作成日時:2019年6月1日 17時

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