君の世界に、意味を与えよう。Act2【文豪ストレイドッグス】

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武装した男達の集団を、一瞬で制圧。一人ずつたんこぶが出来ているこの状況。



「わるい、やりすぎた」



と、少女を抱っこしながら云う純白の吸血鬼。



＿＿＿＿吸血鬼とは無慈悲で…？





「おまえ、おうちどこだ」


と、少女に聞く。少女は吸血鬼に抱かれ、完全に安心し切っていた。


「東の方…」


「ひがしってなんだ」



＿＿＿＿吸血鬼とは怜悧で…？




純白の『少年』は、少女の頭を撫で、「こわかったな、もうだいじょうぶだ」と優しく云う。



＿＿＿＿吸血鬼とは血も涙も無い…？





「貴様…何者だ。何故突然目を覚ました」



『少年』は、うーんと首を傾げた。雰囲気がフワッフワだ。こんな物が吸血鬼だと？そう思ったが、先程の強さと鋭利な犬歯がそれを証明する。




「なんでだ？俺もわからない。おまえ、わかるか？」


抱いている少女にそれを聞くも、少女はふるふると首を横に振る。当たり前だ。



「あとひゃくねんは寝るつもりだった。だから、あいつらにさよならをしたんだ。俺が寝て、どれくらいだ」



「知るか！！」



「そうか、ならしかたないな」




男達は既に『少年』…レイ・ブラッドベリのペースに呑まれて居る。



自分が目覚めた理由。少しだけ心当たりがある。




約束したからだ。



何処にも行かないと。


永遠に友達で居ると。


また会おうと。




誓ったからだ。



孤独な青年を…この世界に独り、取り残したりはしないと。


必ず、力になると。




レイが生きて居るのは、その信念、優しさから来る異能力だ。



異能力名は『塵よりよみがえり』。



始祖の能力とは…受け継がない限り、次に産まれて来る子供に託されて仕舞う。吸血鬼は滅ばない。レイはこの悍ましい力を、大切な人を殺めてしまうこの力を、誰かに受け継がない様に。自身の中に、永遠に閉じ込める。


それがレイの異能の本質。鎖の束縛は、その一部だ。




「いえに返してやる。あんないしてくれ」



少女に云う。少女が指を差すと、レイはその方向に飛んだ。その日少女は初めて空を飛び、初めてこの目に焼き付けた。この世界の綺麗な街並みを。様々な色に光る街灯が、星の様にきらきらと輝いて居た。



恐怖を全て吹き飛ばす出来事と、レイの優しさ。



輝かしい瞳で眺める少女を見たレイ。この表情が出来るのなら、催眠で記憶を消す必要は無いだろう。




「待って、お兄さん。こんなに高いとお家分からないよ！」



「た、たしかに…？」



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ポートマフィア『隷属部隊』隷属者No.01

レイ・ブラッドベリ：音楽界の名家『ブラッドベリ』出身。血が足りて居れば下手に暴れる事は無い為、適度な血の供給を推奨する。＿＿＿＿隷属者No.01『所有者』＿＿＿＿太宰治。

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