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____武装探偵社。




社員達は残りの仕事をこなしながら、北森の帰りを待っていた。





「…遅くない?」




太宰が少し心配そうに国木田に云う。だが、まだ経って一時間程だ。早い方ではある。


国木田は腕時計を眺め、それ程時間が経って居ない事を確認する。




「案ずるな、まだ時間は早い。奴は腕が立つのだろう」



「腕が立つからなのだよ、国木田君。私の予測では三十分前には片付いている筈なのだけど…ハッ!きっと近くにマヨネーズの専門店でも見つけちゃったんだ…!」



太宰が絶望して頭を抱える。次北森の家に行った時にはきっと、マヨネーズぶっかけ料理しか与えられない。




____プルルル、




太宰の絶望を晴らす様に、一通の電話が探偵社に掛かって来る。



それを真っ先に取ったのは国木田。




「はい、武装探偵社____」




国木田の言葉が消えた。不自然に消えた国木田の声に、周りは何事かと国木田を見る。



国木田は耳から受話器を離し、太宰に差し出した。





「太宰、お前にだ」




「私?」




受話器を受け取り、それを耳に当てた。何と無く、嫌な予感がした。




「もしもし?」




『青鯖か、迎えに来い』




太宰はあからさまに嫌そうな顔をした。直ぐにでも切りたい。何?『迎えに来い』?鳥肌でしかない。




「え…何…?気持ちが悪いのだけど」




『死ね!俺じゃねェ!!』





中原が大声を出し、キンと受話器から高い音が聞こえた。余りの五月蝿さに受話器を耳から離した。




『北森だ。持って帰って来てやったぜ。探偵社のすぐ側に車停めてる。さっさと来い陰湿男』





ブツっ、と向こうから通話を切られ、若干腹が立った。




「用件は何だった」




マフィアからの電話だと知っていた国木田は、大事だと思い 少し緊張感を持っている。





「……蛞蝓がもやし背負って来た」





砂色の外套に袖を通して、溜め息を吐いて事務所を出た。それはそれは気怠そうに。







探偵社ビルの階段を降りる。




最後の一段を降りて外に出る。暗い景色。辺りを見渡すと一台の高そうな車が停まって居た。



嫌そうに近付くと、助手席側の窓が開いて居たので覗き込んだ。







「…鴻君」





ボロボロの青年が眠っていた。額から血が出て固まって居る。





「おい太宰。そいつ貰ってくれや」





「君でしょ」




「あ?」






太宰は北森の固まった額の血に触れた。





「この子の、これだよ」




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【要】注意異能力者

北森鴻:十九歳。身長167cm、体重52kg。性格、異能力共に危険性があると判明。条件が揃えば、接触せずとも相手を手に掛ける事が可能な異能を持つ。


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抹茶ラテ - ふと見つけて読んでみたら凄く面白くてなかなか長文物を読まない私でも気づいたら完結の所まで!!会話文や文構成が上手で途中感動でついうるッと来てしまう場面もありました、、!このような素晴らしい小説を書いて下さりありがとうございます!!! (2022年12月23日 21時) (レス) @page50 id: c4a8adec94 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 九十九天斗さん» 久しぶりにここにきました!それ故に返信遅れてごめんなさい、見つけて下さりありがとうございます!!!!!面白いといっていただけて何よりです!! (2021年12月31日 2時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
九十九天斗(プロフ) - たまたま見つけて面白すぎてここまで読み進めてしまいました…!連載中に知りたかった… (2021年11月27日 0時) (レス) id: a6414a60a8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 永衣さん» お返事が遅くなり申し訳ありません!!ハワ…嬉しいですありがとうございます…作品を書いていて本当に良かったです!! (2021年10月14日 3時) (レス) @page46 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
永衣(プロフ) - 連載していたころから読んでました。ふとした時に読みたくなって戻ってきます、いつ見ても最高です!本当にありがとうございます! (2021年9月13日 11時) (レス) id: d90c12946e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:χCielχ | 作者ホームページ:χCielχ  
作成日時:2019年1月19日 15時

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