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「チッ、北森の野郎…やっと行ったか」
「中也の莫迦、私は北森君と話したい事沢山あったのに」
太宰と中原は、嫌がる北森を高校へ見送った。中原が強制的に
北森を学校に押し入れたのだ。
何故なら、太宰と北森の二人が居ては中原の気が持たない。
太宰だけでもうんざりなのに。
「中也はさ、如何思う?」
「何が」
察しが悪いなぁ、と太宰は肩を竦めた。
「北森君だよ。中也には彼が如何見えた?」
「…読めねぇ奴。先刻も急に表情が変わったりした。只の
餓鬼には見えねえ。ありゃ多分ダチが少ねぇな」
その点に関しては、全くもって同意見だった。似ている『笑顔』でも、その根本と内側が全く違う笑顔をしていた。
見えない仮面。その内側を覗けるとすれば、本人が取るか、
無理矢理剥ぎ取るかの二つしかない。
「私はね」
太宰が、温かみのない声を放った。その声に感情は無く、虚空に響いた。
「彼の仮面を必ず剥ぎ取る。誰であろうと、私の前で偽る事はさせない」
太宰のそれは、興味だ。興味が無ければ…北森の事も、如何でもいいで済ましている筈だから。
何年も太宰の隣に居れば、中原にもそれ位の事は解る。
然し中原は、敢えてそれを口には出さなかった。
「所でさ、」
太宰の声のトーンが明るくなり、また何を企んでいるのかと思えば、
「北森君はあの寝癖のまま学校に行ったの?」
「…北森自身忘れてたみてえだからな。そのまま行かせた」
カーゲームに敗北し、その腹いせにした事だ。太宰もそれには
笑いながら、「中也最低」と云った。愉快そうに笑う太宰も対してやっている事は変わらない。
「一緒にお昼ご飯でも、食べれば善かったね」
太宰は真っ白な校舎を眺め、切なげに微笑んだ。
「辞めろ。どうせ俺の奢りとか云いだすんだろ」
「?、その通りだけど?」
「?、じゃねぇ!」
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一方、北森。
自分のクラスの扉を開けた。
「よ、
茶髪の少年が、北森に明るく話し掛けた。周りの人の頭髪などを見ても、校則は至って自由だ。
北森の身長は比較的小柄な方だが、顔で云えば中々のものだ。
その為、北森に寄って来るのは…権力を気にする者達や、北森の本性も知らずに顔だけで選んだ女の子達だ。
詰まらないな。これなら、治くん達といた方が百億倍は楽しい。
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χCielχ(プロフ) - 桜月さん» 昔の作品ですが、自分でも書いててすごく楽しかった思い出があります😌キャラの濃い夢主君でしたが楽しんでいただけたようで何よりでございます!出会うことが出来て良かった作品と言っていただけて本当に嬉しいです、見つけてくれて有難うございました! (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 北森くんと太宰さんの関係が少しせつないけれど、、でも微笑ましくて、、腹黒で太宰さんloveな素の北森くんがとっても最高でした!!本当に涙なしでは読めなくらい感動しました!このような素敵な作品や北森くんに出会うことができて本当に良かったです!大好きです!! (2021年11月18日 21時) (レス) id: 125cb29da4 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» その三人ともちろん安吾さんも北森の大事な人になっています!!北森はめちゃくちゃ意地悪な子ですへへへへ...!黒の時代のミミックと対峙した所は原作、それ以外は全てオリジナルでございます!約9割ほどがオリジナルかと思われます!続編は完全オリジナルです!!! (2019年9月11日 22時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 北森くんの心を、太宰さん、織田作之助さん、中也さんの、三人でとかす物語ですね。北森くんの性格はおもぃっ切り意地悪のようですね汗。原作沿いのようですが?とりあえずハッピーエンドで続編ですね。余談?マフィアが、マリオカートで勝負って笑笑。 (2019年9月11日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 刹那さん» すすすす全て!?ありがとうございます…!こーくんですか!依存すごいですがありがとうございます嬉しいです! (2019年4月21日 14時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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